公判手続き|公判の準備|第1回公判期日前の公判準備|訴訟関係人の事前準備
2025年11月19日
『刑事訴訟法』 酒卷 匡著・2024年9月20日
ISBNISBN978-4-641-13968-8
(1) 公判前整理手続(日)に付されない事件であっても、第1回公判期日から充実した集中的な審理を行うためには、訴訟関係人が,第1回公判期日前に,相互にあらかじめ公判の準備を十分に尽くしておくことが不可欠である。これを「事前準備」と称する。1961(昭和36)年の規則改正により、一連の規定が設けられた(規則178条の2~178条の7.178条の14~178条の17)。事件が公判前整理手続に付されるまでは、これらの規定がすべて適用される。また、一部を除き、公判前理手続に付された事件にも適用される(規則 217条の19)。
そのとおり、これらの規則の定めは、検察官が取調べ請来を予定している証拠の事前開示や当事者相互の準備活動を促進する面はあるが、検察官が取調べ請求を予定していない証拠の開示については何ら触れず、また、審理を主辛する受訴裁判所が訴訟関係人の準備活動に直接関与しつつ手点と証拠を整理する途はきしいので、第1回公判期日前の準備手能としては不徹底なところがある。
(2)訴訟関係人は、①第1回公判期日前に、できる限り証拠の収集及び理をして、審理が迅速に行われるように準備しなければならない(規則178の2)。
②検察官は、取調べ請求する予定の証拠書類・証拠物については、なるべく速やかに被告人または弁護人に閲覧の機会を与えなければならず、弁護人は、被告人その他の関係者に面接するなど適当な方法により事実関係を確かめておくほか、検察官が閲覧の機会を与えた証拠書類・証拠物については、なるべく速やかに、同意、不同意または異議の有無の見込みを検察官に通知しなければならない(規則178条の6第1項・2項)。③検察官及び弁護人は相互に連絡して、訴因・罰条を明確にし、または事件の争点を明らかにするため、できる限り打ち合わせ、審理に要する見込み時間など開廷回数の見通しを立てるについて必要な事項を裁判所に申し出なければならない(規則178条の6第3項)。④第1回公判期日前に,訴訟関係人が相手方に証人等の氏名及び住居を知らせる場合(法 299条)には、なるべく早い時期に知らせなければならない(規則178条の7、なお検察官請求証人等の氏名・住居を知る機会を与えず、氏名に代わる呼称・住居に代わる連絡先を知る機会を与える場合[法299条の4第3項]も同様とする)。⑤検察官及び弁護人は、第1回公判期日に取り調べられる見込みのある証人については、なるべく在延させるように努めなければならない(規則178条の14)。⑥検察官は、公訴の提起後は、被告人側が押収物を訴訟の準備に利用できるようにするため、なるべく避付もしくは仮避の処置をとるよう考慮しなければならない(規則 178条の17)。
(3)前記訴訟関係人の準備活動を促進するため、裁判所は、次のような処置を執らなければならない。①検察官と弁護人の相互連絡が速やかに行われるようにするため、必要があるときは、裁判所書記官に命じて、双方の氏名を相手方に知らせるなど適当な措置を執らせること(規則178条の3)。②第1回公判期日の指定に当たっては、その期日前に訴訟関係人がなすべき準備について考癒すること(規則178条の4)。③公判期日の審理が充実して行われるようにするため相当と認めるときは、あらかじめ検察官または弁護人にその期日の審理に充てることのできる見込みの時間を知らせること(則178条の5)。
その他。裁判所は、次のような処置を執ることができる。①裁判所書記官に命じて、検察官または弁護人に、訴訟の準備の進行状況を問い合わせ、またはその準備を促す措置を執らせること(規則178条の15)。②適当と認めるときは、第1回公判期日前に、検察官及び弁護人を出頭させて、公判期日の指定その他訴訟の進行に関し必要な打合せを行うこと(規則178条の16第1項本文)。ただし、事件につき予断を生じさせるおそれのある事項にわたることはできない(規則178条の16第1項但書)。
そのとおり、これらの規則の定めは、検察官が取調べ請来を予定している証拠の事前開示や当事者相互の準備活動を促進する面はあるが、検察官が取調べ請求を予定していない証拠の開示については何ら触れず、また、審理を主辛する受訴裁判所が訴訟関係人の準備活動に直接関与しつつ手点と証拠を整理する途はきしいので、第1回公判期日前の準備手能としては不徹底なところがある。
(2)訴訟関係人は、①第1回公判期日前に、できる限り証拠の収集及び理をして、審理が迅速に行われるように準備しなければならない(規則178の2)。
②検察官は、取調べ請求する予定の証拠書類・証拠物については、なるべく速やかに被告人または弁護人に閲覧の機会を与えなければならず、弁護人は、被告人その他の関係者に面接するなど適当な方法により事実関係を確かめておくほか、検察官が閲覧の機会を与えた証拠書類・証拠物については、なるべく速やかに、同意、不同意または異議の有無の見込みを検察官に通知しなければならない(規則178条の6第1項・2項)。③検察官及び弁護人は相互に連絡して、訴因・罰条を明確にし、または事件の争点を明らかにするため、できる限り打ち合わせ、審理に要する見込み時間など開廷回数の見通しを立てるについて必要な事項を裁判所に申し出なければならない(規則178条の6第3項)。④第1回公判期日前に,訴訟関係人が相手方に証人等の氏名及び住居を知らせる場合(法 299条)には、なるべく早い時期に知らせなければならない(規則178条の7、なお検察官請求証人等の氏名・住居を知る機会を与えず、氏名に代わる呼称・住居に代わる連絡先を知る機会を与える場合[法299条の4第3項]も同様とする)。⑤検察官及び弁護人は、第1回公判期日に取り調べられる見込みのある証人については、なるべく在延させるように努めなければならない(規則178条の14)。⑥検察官は、公訴の提起後は、被告人側が押収物を訴訟の準備に利用できるようにするため、なるべく避付もしくは仮避の処置をとるよう考慮しなければならない(規則 178条の17)。
(3)前記訴訟関係人の準備活動を促進するため、裁判所は、次のような処置を執らなければならない。①検察官と弁護人の相互連絡が速やかに行われるようにするため、必要があるときは、裁判所書記官に命じて、双方の氏名を相手方に知らせるなど適当な措置を執らせること(規則178条の3)。②第1回公判期日の指定に当たっては、その期日前に訴訟関係人がなすべき準備について考癒すること(規則178条の4)。③公判期日の審理が充実して行われるようにするため相当と認めるときは、あらかじめ検察官または弁護人にその期日の審理に充てることのできる見込みの時間を知らせること(則178条の5)。
その他。裁判所は、次のような処置を執ることができる。①裁判所書記官に命じて、検察官または弁護人に、訴訟の準備の進行状況を問い合わせ、またはその準備を促す措置を執らせること(規則178条の15)。②適当と認めるときは、第1回公判期日前に、検察官及び弁護人を出頭させて、公判期日の指定その他訴訟の進行に関し必要な打合せを行うこと(規則178条の16第1項本文)。ただし、事件につき予断を生じさせるおそれのある事項にわたることはできない(規則178条の16第1項但書)。