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弁護士の知識

捜索・押収|電磁的記録の取得・保全|電磁的記録に係る記録媒体の差押えの執行方法

2025年11月19日

『刑事訴訟法』 酒卷 匡著・2024年9月20日
ISBNISBN978-4-641-13968-8

「差し押さえるべき物」が特定の電子計算機など「電磁的記録に係る記録媒体であるとき」には、捜査機関は、その記録媒体自体を差し押える代わりに、次のような方法で捜査目的達成に必要な電磁的記録を取得することができる。
記録媒体が大容量のサーバである場合に,捜査上必要な電磁的記録(データ)
のみを取得する方法を明文化したものである(法222条1項・110条の2)。捜査機関は、自ら差し押えるべき記録媒体に記録された必要な電磁的記録を他の記録媒体に複写し、印刷し、または移転した上、当該他の記録媒体(例,ディスク等や印刷物)の方を差し押えることができる。「移転」とは、電磁的記録を他の記録媒体に複写するとともに、元の記録媒体からは電磁的記録が消去されるようにすることをいう。また、捜査機関は、このような複写、印刷。移転を、自ら行うのではなく、差押えを受ける者に行わせることもできる。