探偵の知識

女性依頼者からのDM

2025年11月19日

事件はラブホで起きている
探偵小沢

始まりは、ある女性の依頼者さんから届いた相談DMだった(実際の原文のまま掲載)。

【お問い合わせ内容】
今回、浮気調査をお願いしたくご連絡させていただきました。
【調査地域】
自宅:埼玉県〇〇市/夫の職場:東京都〇〇区
【詳細】
夫:38歳/妻(私):36歳/結婚12年目

《2023年7月》
7月ごろから夫の態度に変化があり、話し合いを求めても拒否され続けたのでスマホを確認したところ、唯一をって職場の女性と二人きりで食事に行ったりLINE・電話を頻繁にしていることが発覚しました。内容を見たことを伝え、肉体関係の有無についてはその時点では明白だったので連絡を頻繁に取るのはやめてほしい。食事に行く際は嘘はつかないでほしいと伝えるも、「不倫じゃないのにやめるのはいや、意味もわからないのでやめる気はないし、嫌なら離婚でもなんでも勝手にしたらいい」と言われました。

《2023年8月》
月が変わっても夫の態度に変化が見られず、明らか仕事の帰りが遅い日が増えたりスマホを片時も手放さない様子がありましたが、私がスマホを見たことを伝えてしまったので証拠を何も掴めない状態で冷戦状態が続いていました。
弁護士さんにも相談しましたが、女性関係で離婚するにあたって慰謝料等がほしいなら、まずは真っ黒な証拠を持ってきてください」と言われ、探偵さんを探し始めました。

《2023年9月》
夫の態度がじょじょに悪化し、些細な事で大きな声を出すことも増え限界を感じ、いくつか話を聞いた探偵社さんのお試しコースのようなものをお願いしたところ、案の定職場の女性と会っていましたが、その日は終電まで飲んで不貞行為に至る前に解散し帰ってきたので、証拠になるようなものは得られませんでした。

《2023年10月》
帰りが遅い日や態度がおかしい日が続き、隙を見てスマホを確認したところ、やはり同じ女性と親密にやり取りをしており、「オールで話したいね」等言い出していたり、相手女性がかなり積極的に「電話をしたい」とせがんでいる様子から、このままなら年内には真っ黒になる可能性は高いんじゃないかと思いました。(夫も突然ダイエットを始めだしました…)
今回はスマホを見たことはもちろん伝えず、私は言うことを聞いて静かに過ごしています。
9月にお願いした探偵社さんに継続的にお願いしようかとも思ったのですが、契約を更新すると金額が当初聞いていたものより高くなってしまうことや、知人からも小沢さんを勧めていただいたこともあり、今回小沢さんにお願いできないか問い合わせをさせていただいた次第です。今年の5月にはペアローンで家を購入したばかりで、どうしても不利になるような離婚は避けたいと思っています。どうかお力貸していただきたいです。よろしくお願いいたします。

この依頼者さんの概要文は読んだだけで、背景にある濃厚な人間ドラマが浮かび上がってきた。
おそらく、まだ不倫の芽は育ちきってはいないけど、真っ黒な不倫に育つことは明白だった。そして、このまま不倫の証拠が撮れなければ最終的には「性格の不一致」を理由に、相手のいいように離婚されてしまうのがオチだ。そんな依頼者さんの未来が浮かんだ。
ほかの探偵会社からの乗り換えの依頼というのは、正直あまり気が乗らない。だけど見方を変えれば、僕の探偵としての格の違いを見せつけるチャンスでもある。すぐに返信して、対面での契約の日程を決めた。

契約の待ち合わせ場所は、埼玉県某駅からの至近のファストフード店。
「はじめまして、小沢です」
「はじめまして、イナミと申します」
物の柔らかそうな、優しい雰囲気の依頼者さんだ。得体の知れない探偵と会うのは、ただでさえ緊張も疲弊もするだろうに、イナミさんは精一杯の笑顔で挨拶をしてくれた。
僕は事務的に書面契約をするためというよりも、依頼者さんの話を聞くために契約の場へ足を運ぶ。そして直接依頼者さんからの想いを受け取った僕自身が現場に立つことによって、調査の成功率は飛躍的に上昇する。もう、契約のときから僕の浮気調査は始まっているのだ。