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探偵の知識

社会的信用や地位もまだまだ低い日本の探偵

2025年11月19日

事件はラブホで起きている
探偵小沢

ところで補足情報なんだけど、第3条で日本の探偵業は警察経由の「届出制」であると少しだけ説明したけど、実は海外の探偵は「免許制」な国も多い。あっちの言葉でいえば「ライセンス制」。
アメリカ、カナダ、オーストラリア、スペイン、アイルランド、イスラエルといった国々では、なんと探偵になるための厳格な資格試験がある。しかもどの国も試験の難易度は総じてかなり高く、探偵になるために厳しい基準の実務経験が必要だったり、免許取得に何年もかかったりするような難関資格の部類に入るというか驚きである。
当然、社会的地位も信用も高い。「探偵」という仕事に対する国民からのリスペクトも非常に高く、法整備もかなり進んでいるという。日本の探偵とは違い、特殊捜査権利、情報検索・収集方法などの特別な権限が与えられているし、州によっては警察と同じ「逮捕権」もあるんだってさ。
いいよなぁ……「探偵業法第〇条の権限行使により……不倫したお前を現行犯逮捕するッ!!」とか、やってみたかったなと……w

それに比べて日本の探偵は、認知度だけでなく社会的な信用や地位もまだまだ低い。
「え? 探偵? いやいや漫画じゃあるまいし、ホントにそんな職業あんの? そもそもそれで食っていけんの?(笑)」
みたいなノリじゃないですか。加えて、わりに最近まで悪徳業者だらけの無法地帯ときた。やれやれである。
そもそも日本の行政もね、探偵業法を議員立法でつくろうってなったとき、国内で「探偵」という職業が今後どう扱っていこうか、ということをめちゃくちゃ悩んだらしいんですよ。で、一旦は「届出制にしたうえで規制法をつくる」という今の形でひとまず運用してみて、探偵業界がどうなっていくのかをシッカリ見守りながら、その動きに合わせてじょじょに法整備を進めていこうじゃないか、って話に最終的に落ち着いたんですね。
なので、はたして今後の探偵業界が束ね、相変わらず法の網目をかいくぐって変なことばっかりやって、ガンガン規制される方向にいっちゃうのか。それとも、探偵業法の趣旨をちゃんと踏まえて、国民からの理解や信頼を得てどんどんクリーンな業界となっていくのか。その命運は、日本中の探偵業者たちが握っているんですよ。
「正しく法の知識を持ち」「正しく探偵業を営み」「正しく依頼者さんたちを救う」――そんな探偵業者が増え、健全な業界となって、探偵というサービスをよりたくさんの人が利用できる世界になっていってほしいと、僕は切に願っている。