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探偵の知識

探偵と弁護士の力を合わせた必殺技「コンビ地獄」

2025年11月19日

事件はラブホで起きている
探偵小沢

もちろん、相手もバカじゃない。このコンビを減額するために、収入を偽ってくるケースもある。相手方の弁護士の入れ知恵によって「転職して年収がガクっと下がった」とか「現在休職中なので収入はゼロです」とか申告してくる。そんなときこそ、探偵の出番。
対象者を尾行して、会社に出勤している様子を撮影して、勤務実態の証明ができれば、嘘の申告は一発で崩すことができる。僕のもとには、そういった依頼がくる。
さらに、有責配偶者として認定できたら、慰謝料に加えて財産分与の交渉でも主導権を握りやすくなる。
例えば、夫婦共有名義のマンションを現金のかわりに譲渡させる――そんなふうに財産分与の枠組みを使って、実質的な獲得額を引き上げる戦略も可能。
相手の弱み、子どもの有無、社会的背景などの複雑な要素が絡むけど、やり方次第では通常の慰謝料の相場を軽く超えるインパクトを狙える。もちろん、ここは弁護士の腕の見せどころ。
世の中、金に余裕のある旦那が不倫しているケースなんてざらにあること。だからこそ、このコンビ地獄の戦法が使えるケースも多い。コンビ地獄こそが、優秀な探偵と弁護士の力を合わせた必殺技といえる。
どうせ離婚するんだったら、お金はしっかりもらっておこう。これからの先の人生で、幸せをつかむための軍資金になるんだから。

だけど……残念ながらこの戦法、稼ぎの悪い旦那にはあまり効果がない。不倫はされたけど、慰謝料もコンピも大して取れない――そんな現実も、たしかにある。
結婚相手に「不倫しない男」を選ぼうとしても、残念ながらそれは無理な話。もしそれができるなら、探偵なんて職業はとっくにこの世から消えている。
だったらせめて、「稼ぎが良さそうな男」なるべく選んだほうが、よっぽどリスクヘッジになると思う。
身も蓋もない話だけど、これが現実なのだよ……。