探偵に依頼することは、覚悟が必要
2025年11月19日
事件はラブホで起きている
探偵小沢
まれに、僕のような超優秀な探偵に浮気調査の依頼をすることで、浮気や不倫の問題がすべて解決すると思い込んでいる依頼者もいるが、それは大間違い。
探偵に依頼するということは、言い換えると、一定期間パートナーの浮気を黙認する「覚悟」を持つということ。なぜなら、不貞の証拠を撮るためには、対象者が実際に不倫相手とセックスする瞬間を狙わねばならないからだ。依頼者は対象者を泳がせ、不倫相手とセックスするであろう日を予測して、その日を狙って探偵に調査の依頼を出す。そのために、「金曜日以外で会ってきて」「週末は実家に泊まるから、よろしくね」などといった形で、相手が浮気しやすい環境を自ら整えるという、皮肉な状況に立たされる。不倫してほしいけど、不倫してほしくない……こんな矛盾と苦悩に満ちた葛藤が生じることもあるだろう。
そして、僕の調査報告によって、配偶者が「残業だった」「友だちと会っていた」という嘘をついて、不倫相手と不貞に及んでいた事実を知ることになる。さらに、その事実を知りながらも、配偶者に「いってらっしゃい」「おかえりなさい」と声をかけ、何事も知らないフリをして、ひとつ屋根の下で暮らさなければならない……この心の痛みは想像を絶する。そんな痛みを伴う戦いをする覚悟が、はたしてあなたにはあるだろうか。
「小沢さん……ごめんなさい。やっぱり私……」
以前、ある奥さんからの依頼で、旦那さんが確実に不倫相手と会うとわかっている日の朝、自宅前で張り込みをしていた。
チーム小沢は万全の体制で待機していたが、いつまで待っても旦那さんが出てこない。
しばらくして、奥さんから電話があった。
「小沢さん……ごめんなさい。やっぱり私、旦那がこれから不倫相手と会うってわかってるのに、いってらっしゃいって、玄関から見送ることがどうしてもできなくて……その場で泣き崩れて、全部話して引き留めてしまいました……せっかく張り込んでくれたのに、すみません……」
奥さんは涙ながらに、そう話してくれた。
もちろん、僕は彼女を責めることなどしなかった。証拠を撮るという意味では〝悪手〟だったかもしれない。だけど、あの瞬間の彼女の行動は、彼女の生き方としては、決して間違っていなかったと思うし、彼女自身にとっても後悔はきっとなかったはずだ。
探偵の仕事とは、何も証拠を撮ることだけではない。依頼者が自分の気持ちと向き合い、後悔のない人生を歩むための〝手助け〟をすることでもあると思っている。
だから僕は、よくこう言う。
「今のこの瞬間だけでなく、10年後、20年後に振り返ったときに、後悔のない選択をしてください」
探偵に依頼するということは、言い換えると、一定期間パートナーの浮気を黙認する「覚悟」を持つということ。なぜなら、不貞の証拠を撮るためには、対象者が実際に不倫相手とセックスする瞬間を狙わねばならないからだ。依頼者は対象者を泳がせ、不倫相手とセックスするであろう日を予測して、その日を狙って探偵に調査の依頼を出す。そのために、「金曜日以外で会ってきて」「週末は実家に泊まるから、よろしくね」などといった形で、相手が浮気しやすい環境を自ら整えるという、皮肉な状況に立たされる。不倫してほしいけど、不倫してほしくない……こんな矛盾と苦悩に満ちた葛藤が生じることもあるだろう。
そして、僕の調査報告によって、配偶者が「残業だった」「友だちと会っていた」という嘘をついて、不倫相手と不貞に及んでいた事実を知ることになる。さらに、その事実を知りながらも、配偶者に「いってらっしゃい」「おかえりなさい」と声をかけ、何事も知らないフリをして、ひとつ屋根の下で暮らさなければならない……この心の痛みは想像を絶する。そんな痛みを伴う戦いをする覚悟が、はたしてあなたにはあるだろうか。
「小沢さん……ごめんなさい。やっぱり私……」
以前、ある奥さんからの依頼で、旦那さんが確実に不倫相手と会うとわかっている日の朝、自宅前で張り込みをしていた。
チーム小沢は万全の体制で待機していたが、いつまで待っても旦那さんが出てこない。
しばらくして、奥さんから電話があった。
「小沢さん……ごめんなさい。やっぱり私、旦那がこれから不倫相手と会うってわかってるのに、いってらっしゃいって、玄関から見送ることがどうしてもできなくて……その場で泣き崩れて、全部話して引き留めてしまいました……せっかく張り込んでくれたのに、すみません……」
奥さんは涙ながらに、そう話してくれた。
もちろん、僕は彼女を責めることなどしなかった。証拠を撮るという意味では〝悪手〟だったかもしれない。だけど、あの瞬間の彼女の行動は、彼女の生き方としては、決して間違っていなかったと思うし、彼女自身にとっても後悔はきっとなかったはずだ。
探偵の仕事とは、何も証拠を撮ることだけではない。依頼者が自分の気持ちと向き合い、後悔のない人生を歩むための〝手助け〟をすることでもあると思っている。
だから僕は、よくこう言う。
「今のこの瞬間だけでなく、10年後、20年後に振り返ったときに、後悔のない選択をしてください」