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探偵の知識

一撃KОとなる強い証拠を押さえる

2025年11月19日

事件はラブホで起きている
探偵小沢

例えばラブホテルであれば、一般的な探偵会社の調査員は、せいぜい建物や敷地内へ入って行くところまでしか撮影しない。
だが、僕は普通にラブホ内でふたりで一緒に部屋を選んでいる様子や部屋へ向かうエレベーターにふたりで乗り込むところ、場合によってはフロントで料金を支払っている様子まで撮影する。
また、ビジネスホテルや温泉旅館であれば、一般的な探偵会社の調査員は、せいぜいチェックインの手続きをしているところまでしか撮影しないだろう。
だけど、僕はビジネスホテルの部屋番号まで特定してふたりがドアを出入りする時間まで撮影する。温泉旅館であれば、探偵である僕も一緒に宿泊し、ふたりが一緒に温泉に行く様子や夜中に一緒に部屋に入っていくところはもちろん、翌朝の朝食バイキングの様子まで撮影する。
こういった踏み込んだ撮影は非常にリスキーであることは当然だけど、対象者に気づかれずに証拠を押さえるのは至難の業。だが、事なかれ主義の探偵会社の調査員とは違い、私立探偵である僕は必要な場面ではリスクを背負ってでも、超攻撃的・超アグレッシブな調査を行なうことで、1回の撮影でも十分なレベルの強い証拠を押さえることができる。
「強い証拠」というのは、いかに相手の言い訳(抗弁)を潰せるものであるか――に尽きる。
余談だが、かつて僕はまったく面識がない弁護士さんから唐突に「うちのクライアント様の浮気調査を担当してほしい」という連絡が来たことがある。
「なぜ、僕のことを知ったのか」と聞くと、「以前に小沢さんが浮気調査した対象者が、実は私のクライアント様だったんですよ。調査時に提出された調査報告書を拝見しましたが、あんなに見事な不貞の証拠を出されたら、〝もう、絶対に勝てないな〟と観念しました。だから、今度は私が負ういう証拠を使う側になりたいなと思いまして……」とのことだった。浮気調査探偵冥利に尽きるエピソードである。
依頼者さんの目的から逆算し、証拠を使う相手・場面を踏まえて、求められる証拠の強さを正確に把握し、それを撮影して提供する――それこそが、一流の探偵の証である(言わせんな)。