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探偵の知識

絶対にやってはいけない行動 ――浮気している配偶者を衝動的に問い詰める――

2025年11月19日

事件はラブホで起きている
探偵小沢

これは絶対にやってはいけない行動だ。
想像してみてほしい。仮に勢いに任せて配偶者を問い詰めたところで、
「あぁ! すみません! あなたの言うとおり、私は不倫をしていました! すべて認めます! 傷つけてしまってごめんなさい! 心底反省しています! そして今後は一生をかけて更正していきますので、どうか許してください! もし許してくれないなら離婚も受け入れます。そして、離婚の原因をつくってしまったのは私の方ですから、慰謝料もそちらの言い値でお支払いさせていただきます!」
などと、誠意ある言葉やリアクションが、はたして相手から返ってくるだろうか? 期待する気持ちはわかる。だけど残念ながら、そうはならない。
十八、九、配偶者はシラを切って嘘を重ねてくるか、苦し紛れの言い訳をしてくるのがオチだ。
ひどい場合は開き直って不倫を認め、逆ギレしながらあなたを非難してくることだってある。
これが現実だ。
相手を衝動的に問い詰める行為が、夫婦関係の修復に直接つながることは、ほぼ皆無といっていい。まあ、百歩譲って誠意ある言葉が得られればいい(実際はまったくないが)。そして、逆ギレだった場合、夫婦関係は完全に悪化の一途をたどることになる。
なぜなら、相手を問い詰める行為によって生じる最大の問題は、「あなたが不倫を疑っているという事実を配偶者に知られてしまう」こと。つまり、「相手に警戒をされてしまう」ということだ。
僕は探偵として過去に何千件もの不倫の相談を受けてきたけど、依頼者がすでに配偶者を問い詰めてしまったあとのケースは非常に多い。
「実は不倫相手とのLINEを見つけた瞬間に問い詰めてしまって……」
「あんたが不倫していること、知っているんだからね!」って言っちゃったんです……」
などといった感じで、多くの依頼者さんが衝動的に配偶者を問い詰めてしまったことを後悔している。
配偶者だってバカじゃない(まぁ、不倫している時点でバカなんだけど)。不倫が不法行為にあたること自体は認識していて、自身がやましいことをしている自覚を持ちながら不倫をしている。そのうえで配偶者から問い詰められようものなら、警戒心はさらに強まり、探偵が調査で証拠をつかむ難易度が、一気に上がってしまう。