産業スパイ大作戦
2025年11月19日
図解 秘探偵・調査マニュアル
渡邉 直美
産業スパイなんてテレビや映画の中だけの話とお思いかも知れないが、実際にかなりの被害を企業は被っているのだ。映画と違うのは、彼らが盗み出すのは設計図ではなく顧客名簿や売り上げ伝票といった、普通の人には何の価値もないようにしか見えないものばかり。しかし、ライバル会社や同業者にとっては喉から手が出るほど欲しいデータなのだ。例えば、某有名宝石店にある顧客リストには、A4・1
枚の大きさでなんと5000円もの値段がつくというのだからスゴいでしょにしかし、彼ら産業スパイたちはプロフェッショナル。なかなか尻尾を掴ませない。
前述の某宝石店の社長直々の依頼も、そんな敏腕スパイを捕まえてくれというものだった。「今度、入社した営業マンがどうも怪しい。あまりにもやる気がありす
きるし、しかも実際に仕事もできる。いや、できすぎる。前の会社でリストラされたというのだが、こんなに仕事のできる人間をリストラするわけがない」というの
だ。
早速、私たちは8人という大人数で対象者の尾行を開始した。しかし、相手は超一流宝石店の営業マン。回る会社の規模が大きすぎ、会社の中まで追跡することができなかったり、どこの出口から出てくるか特定できず、失尾の連続。調査は難航を極めた。勤務時間内が難しいのであれば、まずは退社後の尾行をしてみて怪しいところがないかどうかを確認してみようということで、我々は退社後の対象者を追った。
彼はどこにも立ち寄らず、履歴書に書かれてある住所のマンションへと入っていった。私たちはすぐにそのマンションの裏口へ回った。身分を騙っている場合、そのまま口から出て隠れ家へ向かうことが多いからだ。我々は息を潜めて彼が出てくるのを待った。すると…・・・・やはり出てきた。
そして、そこから歩いて数分のマンションへと姿を消したのだった。これで、対象者が少なくとも身分を騙っていることがわかった。
私は依頼者にこの旨を伝え、"確証を掴むため、社内に潜入させてほしい”と依頼した。
数日後、私は人材バンクから派遣された受付嬢として会社に潜入をした。慎重に対象者を監視していると、なんと大にも染人環視のもとで顧客リストをコピーしているではないか!! 産業スパイではないかと彼を内偵していることは一部の上層部しか知らないのと、あまりにも大胆にやっているため、誰も気がついていないのだ。そして昼休みが訪れると、彼の行動はさらに大期になっていった。誰もいないことをいいことに、経理担当者の机を勝手に開け書類をコピーし始めたのだ!!:
調査前、依頼者は私たちに「顧客リストや経理上の帳簿の管理は万全です」と言っていた。しかし、実際には書類の入った引き出しにカギを掛けるどころか、机の上に出しっぱなしということも・…・・・・。さぞかし、この産業スパイさんにとってはラクな仕事だっただろう。
翌日、私は早速依頼者に、事の次第を報告した。彼は、対象者が思ったとおりクロであったことよりも、社内の書類管理の杜撰さにショックを受けていた。
数日後、対象者は拘束され、どこの会社の依頼でスパイを行なったのか詰問されるハズだった。しかし、実際には何もなかった。対象者があとかたもなく消え去ってしまったからだ。依頼者は、まだまだ情報を入手するには時間がかかるものと思っていたのだが、杜撰な書類管理のおかげで彼は予想以上に早く仕事を終えていたのだ。
もちろん、この事件の後、書類管理が杜撰だった件で、社員全員こっぴどく怒られたとのこと。しかし、いつまで続くことか…....。
枚の大きさでなんと5000円もの値段がつくというのだからスゴいでしょにしかし、彼ら産業スパイたちはプロフェッショナル。なかなか尻尾を掴ませない。
前述の某宝石店の社長直々の依頼も、そんな敏腕スパイを捕まえてくれというものだった。「今度、入社した営業マンがどうも怪しい。あまりにもやる気がありす
きるし、しかも実際に仕事もできる。いや、できすぎる。前の会社でリストラされたというのだが、こんなに仕事のできる人間をリストラするわけがない」というの
だ。
早速、私たちは8人という大人数で対象者の尾行を開始した。しかし、相手は超一流宝石店の営業マン。回る会社の規模が大きすぎ、会社の中まで追跡することができなかったり、どこの出口から出てくるか特定できず、失尾の連続。調査は難航を極めた。勤務時間内が難しいのであれば、まずは退社後の尾行をしてみて怪しいところがないかどうかを確認してみようということで、我々は退社後の対象者を追った。
彼はどこにも立ち寄らず、履歴書に書かれてある住所のマンションへと入っていった。私たちはすぐにそのマンションの裏口へ回った。身分を騙っている場合、そのまま口から出て隠れ家へ向かうことが多いからだ。我々は息を潜めて彼が出てくるのを待った。すると…・・・・やはり出てきた。
そして、そこから歩いて数分のマンションへと姿を消したのだった。これで、対象者が少なくとも身分を騙っていることがわかった。
私は依頼者にこの旨を伝え、"確証を掴むため、社内に潜入させてほしい”と依頼した。
数日後、私は人材バンクから派遣された受付嬢として会社に潜入をした。慎重に対象者を監視していると、なんと大にも染人環視のもとで顧客リストをコピーしているではないか!! 産業スパイではないかと彼を内偵していることは一部の上層部しか知らないのと、あまりにも大胆にやっているため、誰も気がついていないのだ。そして昼休みが訪れると、彼の行動はさらに大期になっていった。誰もいないことをいいことに、経理担当者の机を勝手に開け書類をコピーし始めたのだ!!:
調査前、依頼者は私たちに「顧客リストや経理上の帳簿の管理は万全です」と言っていた。しかし、実際には書類の入った引き出しにカギを掛けるどころか、机の上に出しっぱなしということも・…・・・・。さぞかし、この産業スパイさんにとってはラクな仕事だっただろう。
翌日、私は早速依頼者に、事の次第を報告した。彼は、対象者が思ったとおりクロであったことよりも、社内の書類管理の杜撰さにショックを受けていた。
数日後、対象者は拘束され、どこの会社の依頼でスパイを行なったのか詰問されるハズだった。しかし、実際には何もなかった。対象者があとかたもなく消え去ってしまったからだ。依頼者は、まだまだ情報を入手するには時間がかかるものと思っていたのだが、杜撰な書類管理のおかげで彼は予想以上に早く仕事を終えていたのだ。
もちろん、この事件の後、書類管理が杜撰だった件で、社員全員こっぴどく怒られたとのこと。しかし、いつまで続くことか…....。