猜疑心夫婦の調査合戦
2025年11月19日
図解 秘探偵・調査マニュアル
渡邉 直美
シンクロニシティという現象がある。簡単にいうと、お互いが知らず知らずのうちに同じことをやってしまうということ。実は、調査の世界でも、奥さんの依頼で旦那さんの浮気を調べていると、実は旦那さんも奥さんのことを他の探偵事務所で調べていた・・・・・・なんていうことがよくあるのだ。
それは、福岡で小学校の教師をやっている女性から来た依頼だった。同じ小学校で教師をしている旦那さんの部屋を片づけていたら、ロリコン雑誌が何冊も出てきた。小学校で教え子にイタズラをしていないか調べてほしい”とのこと。
私は、小学校が一望できるマンションの屋上に陣取り、対象者の監視を開始した。
望遠レンズをセットし、何気なく周囲を見回すと…・・・・・なんと、200mほど離れたマンションの屋上に、私と同じように望遠レンズを覗き込んでいる2人組みがいるではないか!! とりあえず、先方はこちらにまったく気付いていないようなので、私はそのまま対象者の監視を続けた。
夕方3時過ぎ。放課後のクラブ活動が終了すると、対象者がひとりの女子生徒を連れて用務員室に向かっていった。私は急いでマンションの階段を駆け降り、用務員室へ向かった。そして、用務員室の裏側に回り込み、なにか聞こえないか耳をそばだてた。しかし、聞こえてきたのは女子生徒を怒る対象者の声だけ。程なく、その生徒は用務員室から出て行った。普通、証拠が掴めなかった場合には、悔しさが込み上げてくるものなのだが、このときばかりはホッとした。
私は再びマンションの屋上へ上がり、監視を再開した。例の2人組みを偵察すると、まったく動いた様子がない。つまり、彼らのターゲットは私の対象者ではないということだ。では、いったい誰なのか!
その答えはまもなくわかった。依頼者(奥さん)が校門から出てくると同時に、彼らが動き出したのだ。そう、彼らのターゲットは奥さんだったのだ!!! 彼女は学校に呼んだタクシーに乗り込み、あっという間にどこかへと走り去った。クルマなど用意していなかった2人組みはあっさり失尾・・・・・。同業者ながら、あまりにも社撰な調査方法に思わず笑ってしまった。
それから5日後、予想外の方向に事態は進んでいった。いつもは真っ直ぐ家に帰る対象者が、学校を出て繁華街へと向かっていったのだ。尾行していくと、なんと対象者が30歳前後の女性と喫茶店で落ち合ったではないか。手を握り合うなど、2人の関係はかなり親密なよう。本来の調査目的ではないものの、我々はそのシーンを隠しカメラに収めた。
1週間に渡る調査の結果、浮気はしているものの、生徒にイタズラしている事実はないという確言を得、私は依頼者にその旨伝えた。ところが、浮気は予想外だったはずの彼女にまったく動揺した様子がないのだ。いや、それどころか満足そうな顔すらしているではないか!!そのとき、私はすべてを理解した。彼女の目的は、最初から旦那さんの浮気調査だったのだ。
すでに答えはわかっていたものの、私は彼女に「数日前、タクシーでどちらに行かれたんですか?」と聞いてみた。彼女は悪びれる様子もなく、「男に会いに行ったの。そう、私も浮気していたの」と言った。「では、奥さんも監視されていたのはご存知でしたか?」私は聞いてみた。すると、彼女の顔はみるみるうちに青ざめていった。
数カ月後、お互いに浮気をしていたということで、この夫婦は円満に離婚したという。この二人の間にはずいぶん前から愛情などなかったのではないだろうか?
皆さん、浮気がバレても怒られなくなったら、要注意かも知れませんよ‼︎
それは、福岡で小学校の教師をやっている女性から来た依頼だった。同じ小学校で教師をしている旦那さんの部屋を片づけていたら、ロリコン雑誌が何冊も出てきた。小学校で教え子にイタズラをしていないか調べてほしい”とのこと。
私は、小学校が一望できるマンションの屋上に陣取り、対象者の監視を開始した。
望遠レンズをセットし、何気なく周囲を見回すと…・・・・・なんと、200mほど離れたマンションの屋上に、私と同じように望遠レンズを覗き込んでいる2人組みがいるではないか!! とりあえず、先方はこちらにまったく気付いていないようなので、私はそのまま対象者の監視を続けた。
夕方3時過ぎ。放課後のクラブ活動が終了すると、対象者がひとりの女子生徒を連れて用務員室に向かっていった。私は急いでマンションの階段を駆け降り、用務員室へ向かった。そして、用務員室の裏側に回り込み、なにか聞こえないか耳をそばだてた。しかし、聞こえてきたのは女子生徒を怒る対象者の声だけ。程なく、その生徒は用務員室から出て行った。普通、証拠が掴めなかった場合には、悔しさが込み上げてくるものなのだが、このときばかりはホッとした。
私は再びマンションの屋上へ上がり、監視を再開した。例の2人組みを偵察すると、まったく動いた様子がない。つまり、彼らのターゲットは私の対象者ではないということだ。では、いったい誰なのか!
その答えはまもなくわかった。依頼者(奥さん)が校門から出てくると同時に、彼らが動き出したのだ。そう、彼らのターゲットは奥さんだったのだ!!! 彼女は学校に呼んだタクシーに乗り込み、あっという間にどこかへと走り去った。クルマなど用意していなかった2人組みはあっさり失尾・・・・・。同業者ながら、あまりにも社撰な調査方法に思わず笑ってしまった。
それから5日後、予想外の方向に事態は進んでいった。いつもは真っ直ぐ家に帰る対象者が、学校を出て繁華街へと向かっていったのだ。尾行していくと、なんと対象者が30歳前後の女性と喫茶店で落ち合ったではないか。手を握り合うなど、2人の関係はかなり親密なよう。本来の調査目的ではないものの、我々はそのシーンを隠しカメラに収めた。
1週間に渡る調査の結果、浮気はしているものの、生徒にイタズラしている事実はないという確言を得、私は依頼者にその旨伝えた。ところが、浮気は予想外だったはずの彼女にまったく動揺した様子がないのだ。いや、それどころか満足そうな顔すらしているではないか!!そのとき、私はすべてを理解した。彼女の目的は、最初から旦那さんの浮気調査だったのだ。
すでに答えはわかっていたものの、私は彼女に「数日前、タクシーでどちらに行かれたんですか?」と聞いてみた。彼女は悪びれる様子もなく、「男に会いに行ったの。そう、私も浮気していたの」と言った。「では、奥さんも監視されていたのはご存知でしたか?」私は聞いてみた。すると、彼女の顔はみるみるうちに青ざめていった。
数カ月後、お互いに浮気をしていたということで、この夫婦は円満に離婚したという。この二人の間にはずいぶん前から愛情などなかったのではないだろうか?
皆さん、浮気がバレても怒られなくなったら、要注意かも知れませんよ‼︎