探偵の知識

この章で述べてきた探偵のテクニックは、あくまでも、素人やこれから探偵を目指そうとする人向けの基本的なものばかり。これさえマスターすれば、スグにでも名探偵になれるというのは、ハッキリいって甘い！！ 私たち探偵というのは、もっと多くのことを要求される商売なのである。
そこで、実際に探偵だからこそできる携帯電話にまつわる裏ワザをいくつか紹介したい。さしずめ、探偵テクニック応用編といったところ。しかしながら、どういうしくみでそんな裏ワザが使えるのかということは、残念ながら企業秘密ということにさせていただく。
依頼者にとっては、探偵が何をどこまでできるのかが問題なハズだし、探偵志願者なら、早く成長して、そのカラクリを知ってもらいたいからなのだ。どうしても興味があるのなら、まずはわが探偵学校への入学をオススメする、と、ここでさり気なく宣伝をしておこう。
さて、前口上が長くなったが、まずは地下3階まで電波の届く携帯電話。われわれの同業者のなかには、そんな便利なモノをもっている人がいるのだ。通常、地下3階まで電波が届くわけなどなく、地下にアンテナが設置されているのだとしたら、他の人の携帯電話にも電波は届くハズ。もちろん、その探偵の携帯電話以外は、すべて完全な圏外である。とすれば、端末に秘密があるとしか考えられない…・・..。
ちょっとマニアックかつ小ワザだったかも。お次は誰もが知っている裏ワザ。携帯電話の番号から持ち主の氏名や住所が調べられるということ。
そう、スポーツ新聞の三行広告などで「携帯電話調査」などと出ているアレである。このカラクリについては、マスコミなどでも紹介されているので知っている人も少なくないハズ。もちろん、その手の記事が伝えている内容が事実かどうかについてはは内緒だが・・・・・・。
ではもうひとつ、こういうのはどうだろう！？
携帯電話の番号から持ち主の現在地がわかる。個人データがわかることについては、かなり知られた事実になってはいるが、こちらについては初耳だという人も多いハズだ。このテクニックについては、個人データを調べる”というような切り売りサービスができないのだから。
私たち探偵がこのテクニックをどのように活用しているかというと、張り込みポイントを決めるときや、失尾したときの補足のとき（お恥ずかしながら）。弁解するわけではないが、カーチェイスの末に失尾したときなど、携帯電話の番号で現在地を調べて補足すると、ある程度の時間が経過しているので、対象者の警戒心が解かれていることもあって逆に効果的だったりもするのだ。いやホント、弁解しているではない（笑）。
もちろん、このカラクリについてもトップシークレット。ただ、ヒントとしては、"現在地がわかる"と繰り返しているが、ピンポイントでわかるわけではないということ。もちろん、調査中の対象者なら、ある程度のエリアが特定できれば、その立ち寄り先のリストからピックアップできるから、結果的にはピンポイントで現在地を割り出すことができるのだが。
そしてヒントその2。この追跡方法は、留守番電話サービスを解除して電源を切ってしまえば不可能になってしまうということ。もし、誰かに尾行されていたり、後ろめたいことをしているのならば、携帯電話の留守番電話サービスを解除して電源を切ってしまうことをオススメする。
それでも、私たちプロの探偵は、手を替え品を替え、執念深く調べるだろうけど…。