探偵の知識

小説に登場する探偵

2025年11月19日

図解 秘探偵・調査マニュアル
渡邉 直美

探偵が登場する小説は多い。アガサ・クリスティのエルキュール・ポワロ、レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウ、そしてコナン・ドイルのシャーロック・ホームズと、名作と謳われるものも少なくない。しかし、残念ながらそれらに出てくる探偵さんは私たちとずいぶん違う。
まず、一番違うのが私たちは拳銃なんか持ってない(あたりまえか)。ずいぶんと物騒になったといわれる日本だが、ありがたいことに、まだ調査中に拳銃の必要性を感じたことはない。
また、推理小説マニアの方々をがっかりさせてしまうようだが、殺人事件の依頼などもまったく来ない。本書でもふれているように、私たちが手がけるのは7割方浮気調査という平和(?)なもの。たまに”息子が自殺したというのだが、借じられない。
本当に自殺だったのかどうか調べてほしい”というシリアスな依頼も来ることはあるが、非常にまれだ。
探偵が登場するハードボイルド物では、対象者と
の格闘がひとつの見せ場になっていることが多いようだが、実際にはもちろん我々が対象者に暴力をふるうことなど絶対にない。それどころか、対象者に我々が接触をすることすらほとんどないのだ。
もうひとつ、ハードボイルド物に付き物なのが依頼者とのベッドシーン。しかし、残念ながらこんなこともない。ただし、男性の探偵は小説や映画同様、女性にモテることが多いようだ。やはり、映画などの探偵IIカッコイイ"というイメージが女性の中にはあるのかもしれない。それに対して私たち女性の探偵は、男性の浮気を暴くことが多いからだろうか、どうしても嫌われがち。
最後にひとつだけ言っておきたいのが、女探偵の活躍する小説、映画はほとんどないが、実際には男性の探偵よりも我々女探偵のほうがはるかに活躍しているということ。調査成功率だって女性の方がはるかに高いんですから!