探偵の知識

悪徳探偵の手口

2025年11月19日

図解 秘探偵・調査マニュアル
渡邉 直美

最近はずいぶんと減ってきたが、それでも残念ながら悪徳探偵はいまだに存在する。例えば、先日もこんなことがあった。
主婦のWさんが、某探偵事務所に、旦那の浮気調査を依頼した。数日後、くだんの探偵事務所から「奥さん、思いがけなくいい写真が撮れました。かなり手間がかかりましたんで、調査費用とは別に20万円支払っていただけませんでしょうか」という電話がかかってきたという。もちろん、通常は証拠写真代も調査費に含まれているから、これは非常識な要求なのだが、Wさんはそんなこと知らずに、指示どおり20万円を振り込んでしまった。そして、数日後に送られてきたのは、写っているのが男だか女だかすらわからないピンボケ写真だった・・・・・・。もちろん、Wさんはクレームをつけたが、突然先方は今までと態度を一変してすごみはじめ、逆に脅される始末。結局、Wさんは泣き寝入りしてしまったのだという。
また、主婦のHさんは、やはり亭主の浮気を調査してもらっていたのだが、1週間後に届いた請求書を見てびっくり。そこには尾行1日あたり80万円。延べ7日間で560万円請求いたします”と書かれていたという!!!驚いたHさんが事務所に電話したところ、「旦那さん、何台もクルマを乗り換えましてね、尾行が大変だったんですよ」という答え。こんなに支払えないというと、やはり態度を一変させすごまれたという。
トラブって旦那にこの調査が知られるのを恐れたHさんは、とりあえず金を支払って、わが社に再調査と相談に訪れた。我々が再調査してみると、そこの探偵事務所の調査はずさんそのものだったことが判明。なんとか、560万円のうち半額ほどを取り戻すことに成功したのだった。
では、このような悪徳探偵事務所を見分ける方法はあるのか?まず、広告などを見て選ぶ場合には、日本調査業協会加盟であるかどうかを確認してほしい。加盟していれば100%安心かといえば、そうとも言いきれないのだが、少なくとも何らかのトラブルが発生した場合には協会に苦情を受け付けてもらえるし、事実関係を調査してもらえるので心強い。しかし、加盟していない中にもいい事務所がたくさんあるということもお忘れなく。
また、電話などで相談をしてみて、見積もりを出してくれない探偵社はアブないと思っていいだろう。思っていたよりも高額だった場合、それを告げると「どこかで借りてきたらいかがですか」などと言う事務所もあるが、これなど問題外だ。
転送電話を利用している探偵社にも要注意だ。なかには、大阪事務所があるように電話帳に書いてあっても、実際には誰もおらず、そこにあるのは電話1本だけという事務所も少なくない。そんな事務所に調査を依頼しても土地鑑がないため、どうしても調査成功率は低くなる。
調査報告書や写真は、依頼者に直接引き渡す(対面報告)のが探偵業界の常識なのだが、それをしない事務所もヤバい。前述のように、「写真が欲しければン十万円振り込め」というオファーがあったとしても絶対に受けないように(見たい気持ちはわかるが、100%ロクな写真ではないと断言できる)。
なかには、半年に1回づつくらい名前や場所を変えて営業を続けている探偵事務所もあるが、こんなところはもちろん問題外。やはり、同じ場所で長く続けている事務所は安心度が高いといえるだろう。
どうしても、どこの探偵事務所に依頼すればいいかわからなかったら、どうぞわがガルエージェンシーへ。絶対に失望させることはありませんから.......。