夫の事業が業績不振で、負債を抱えています。離婚して、私が財産分与を受け、債権者の追及を逃れることは可能ですか。
2025年11月19日
離婚をめぐる法律とトラブル解決相談129
梅原 ゆかり
不相応な財産分与は、債権者を不当に害する行為として、取り消される可能性があります。
まず、ご主人の名義になっている財産について、妻であるあなたに分与ができるのかという問題があります。この点については、 財産分与の制度は夫婦が協力して築いた財産については、その貢献度に応じた分与が認められます。ですから、財産の名義人が誰になっているかを問わず、実体に応じて判断していくことになります。たとえば、妻であるあなたの協力で事業を行って財産を形成していれば、何割かは財産分与として認められるでしょう。
ただ、債権者からの追及を免れるために、本来妻に分与されるよりも不相当な財産を分与すると、債権者が「詐害行為取消権」 (民法424条)を行使し、不相当な部分について、財産分与の取消を主張する可能性があります。詐害行為取消権とは、債権者からの追及を免れるために債務者がその所有する財産を他人に譲渡した場合、その譲渡行為を取り消して財産を元に戻すように請求できる権利をいいます。財産分与というと、離婚という夫婦間のプライベートな問題に関する行為ですから、詐害行為取消権の対象とはならないようにも思えます。しかし、判例では、債権者を害する場合には、不相当に過大な部分については、取り消すことができるとしています。あなた方のケースでも、取り消される可能性があると考えられます。
まず、ご主人の名義になっている財産について、妻であるあなたに分与ができるのかという問題があります。この点については、 財産分与の制度は夫婦が協力して築いた財産については、その貢献度に応じた分与が認められます。ですから、財産の名義人が誰になっているかを問わず、実体に応じて判断していくことになります。たとえば、妻であるあなたの協力で事業を行って財産を形成していれば、何割かは財産分与として認められるでしょう。
ただ、債権者からの追及を免れるために、本来妻に分与されるよりも不相当な財産を分与すると、債権者が「詐害行為取消権」 (民法424条)を行使し、不相当な部分について、財産分与の取消を主張する可能性があります。詐害行為取消権とは、債権者からの追及を免れるために債務者がその所有する財産を他人に譲渡した場合、その譲渡行為を取り消して財産を元に戻すように請求できる権利をいいます。財産分与というと、離婚という夫婦間のプライベートな問題に関する行為ですから、詐害行為取消権の対象とはならないようにも思えます。しかし、判例では、債権者を害する場合には、不相当に過大な部分については、取り消すことができるとしています。あなた方のケースでも、取り消される可能性があると考えられます。