心がほっこりする調査報告
2025年11月19日
探偵の現場
岡田 真弓
新婚三カ月の30代の妻から、夫の浮気を心配しての調査依頼が飛び込んできた。
「最近、夫の帰りが終電間際で、態度もよそよそしいのです。もしかしたら浮気しているのではないかと思って、確認のために調査して下さい」
とすでに浮気の兆候と疑心暗鬼。夫の24時間を徹底的に調査したのだが、怪しい女性の影や浮気の兆候などは皆無。逆にある感動的な事実を知ってしまったのだ。
夫の帰宅が遅くなったのは、昼間の会社勤め以外に、夕方から夜にかけて一日五時間、バーテンダーのアルバイトを行っていたからだ。
つまり昼と夜のダブルワークで稼いでいたのである。もしかしたら女性に貢ぐための費用捻出のためにアルバイトをしているのだろうか。
その真相を知るべく、探偵はバーの客を装って夫が勤めるバーに入店。
「この仕事、長いの?」「昼は何してるの?」「そんなに働いて、フェラーリでも買うの?」などなど、あくまで世間話風に、緩やかに核心に迫る。
すると夫は、意外なことを話し出した。
「結婚してもお金がなくて、妻を新婚旅行に連れて行くことができなかったんですよ。だから金を貯めて、妻にサプライズで旅行をプレゼントしようと思って、こっそりアルバイトしているんです」
欲望まみれの人間たちの実態を見続けてきて、どこか冷めた心になっているような気がしていた探偵だったが、夫の言葉はそんな探偵の心をものともせずに溶かしていった。
探偵は、晴れ晴れとした思いを胸に、浮気はまったくの誤解であることを報告し、夫がサプライズを計画していることを伝えたところ、妻は喜びのあまり涙を流した。
「知り合いのバーの店主に手伝ってほしいと頼まれているらしいですよ。その内、アルバイトも終わってちゃんと定時で帰ってこられるようになりますから」
これで今回の調査は終了した。それから二カ月後、妻から涙声で連絡があった。
「今、夫からすべて聞きました。私はなんで彼のことを疑ってしまったんでしょう……」
夫婦の愛情が織りなす交差点で、探偵は裏方としていつでもサポートしている。
「最近、夫の帰りが終電間際で、態度もよそよそしいのです。もしかしたら浮気しているのではないかと思って、確認のために調査して下さい」
とすでに浮気の兆候と疑心暗鬼。夫の24時間を徹底的に調査したのだが、怪しい女性の影や浮気の兆候などは皆無。逆にある感動的な事実を知ってしまったのだ。
夫の帰宅が遅くなったのは、昼間の会社勤め以外に、夕方から夜にかけて一日五時間、バーテンダーのアルバイトを行っていたからだ。
つまり昼と夜のダブルワークで稼いでいたのである。もしかしたら女性に貢ぐための費用捻出のためにアルバイトをしているのだろうか。
その真相を知るべく、探偵はバーの客を装って夫が勤めるバーに入店。
「この仕事、長いの?」「昼は何してるの?」「そんなに働いて、フェラーリでも買うの?」などなど、あくまで世間話風に、緩やかに核心に迫る。
すると夫は、意外なことを話し出した。
「結婚してもお金がなくて、妻を新婚旅行に連れて行くことができなかったんですよ。だから金を貯めて、妻にサプライズで旅行をプレゼントしようと思って、こっそりアルバイトしているんです」
欲望まみれの人間たちの実態を見続けてきて、どこか冷めた心になっているような気がしていた探偵だったが、夫の言葉はそんな探偵の心をものともせずに溶かしていった。
探偵は、晴れ晴れとした思いを胸に、浮気はまったくの誤解であることを報告し、夫がサプライズを計画していることを伝えたところ、妻は喜びのあまり涙を流した。
「知り合いのバーの店主に手伝ってほしいと頼まれているらしいですよ。その内、アルバイトも終わってちゃんと定時で帰ってこられるようになりますから」
これで今回の調査は終了した。それから二カ月後、妻から涙声で連絡があった。
「今、夫からすべて聞きました。私はなんで彼のことを疑ってしまったんでしょう……」
夫婦の愛情が織りなす交差点で、探偵は裏方としていつでもサポートしている。