僕の浮気は車のトップセールスマンから学んだ
2025年11月19日
浮気とは「午前4時の赤信号」である。
すずきB
オリンピック競技としても知られる「クレー射撃」。空中に飛ぶ鳥に見立てたクレー(素焼きの皿)を、クレーピジョン=粘土の鳩とも呼ぶ)を、散弾銃で撃ち落とすスポーツ競技なのだが、実は射撃に使う銃も本物で、あの銃で鳥を撃ち落とすこともできる。
我々、浮気おじさんが日々行っている恋愛行動は、このクレー射撃にも似ていて、こんなたとえも申し訳ないのだが、女性のハートというクレーを撃つことで、人間本来の狩猟本能を、武器遣いしながら試しているのかもしれない。もちろん既婚者の恋ゆえ、基本的には、あくまでスポーツ競技。誰にも迷惑かけないよう、正々堂々、スポーツマンシップにもっこり(笑)で恋をする。「一線を超えない(Hしない)クレーピジョン」だ。粘土の鳩は平和の象徴。だから、撃っても平和を保てるのだとわかっている。
しかし何年かに1度、本物の鳥を撃ちたくなる衝動に駆られるのをお許しいただきたい。
Hするかしないかについてはここでは言及しないが、「まあ、したくなる」。ならば、その散弾銃で、三段腹のメタボおじさんが、素敵な鳥を落とす、その方法とは?
その一例を教えよう。
ここに、僕が20年近くお世話になっている車のトップセールスマンがいる。そのMさん腰も低く、会話が心地いい。事故った時、故障した時、買い換える時、とにかく機転がきいて、フットワークがいい。この人の売るクルマに一生乗り続けたい! そう思わせるMさんから、浮気おじさんは多くのお客の心のつかみ方を学んだ。
たとえば、僕が「ジャガーXK」というクルマに興味を示したとするとMさんは、日本の誰よりもXKに詳しいんじゃないかというぐらい詳しくなって数日後僕の前に現れる。それはネットやカタログに出ている知識だけじゃない。何度か実際に乗ってみて、アクセルの重さを今僕が乗ってる車と比較しながら答えたり、ハンドルのヒーターがこれぐらい温かいと缶コーヒーで体感させてくれたり。彼に入り細にわたり「あなた完全にXKオーナーでしょ」というぐらい詳しく、しかも、その車種がいかに僕と合うかだけでなく、逆に僕に合わないとしたらどこか、まで教えてくれるのがより信頼できる。
これにピンときた僕は、「マツキヨ店頭商品」(P214)でつかんだ「客」とその後、親しくなってデートした時に応用することにした。
どんな男がいいかを知るためのデートしながら、おじさんはこんなことを言う。
「車のセールスマンでね、ダメな人はただ売れればいいと思ってる。でもトップセールスマンは違う。買った人の幸せを考える。そのために、まずその車のことを誰より知ろうと努力し、この車にどんな人が乗ったら喜ぶかを考えるから、ベストオーナーを引き合わせるのも上手いのよ」そんな車のたとえに、女子も〝便乗〟してくる。
「たしかに、私たちのスペックや特性も知らずに〝いい人紹介するね〟とか言って、ただの独身男を連れてくる人、いる〜」
「そうそう、ああいう紹介者はダメセールスマン。成的になるわけがないわけでさ……」
賢い女子は、このあたりでオチを見抜いてるだろうけど、かまわず僕は続ける。
「〇〇ちゃんが車、僕が車のセールスマン、紹介する男がお客さんだとした時、僕はどんな男がこの車に乗ったら幸せかを考えたいのよ。そうそう、優秀なトップセールスマンは実際にその車にまずは〝乗る〟んだよね」
「なんとなく読めますね……」
「はい、運転してみてないことにはこの車のベストオーナーを連れてくる自信がないんで、ってことで……試乗させてください(笑)」
「出た、マジですか、今日だけ試乗フェア実施中、って、オイッ!」
少しの笑いは起こる。だからと言って試乗に至るかどうかは、いささか謎だが……。
そういえば先日、彼氏のいない女子のこんなツイートを見つけた。
「新しい出会いを求めたり、新しい楽しいことを探してみたりするけれど、大事なのは今出会っている人を大切にしたり、今自分の置かれている状況を最大限楽しむことなんじゃないかな、なんて。そうすることで新しい出会いや楽しいこと以上に魅力的なものが意外とすぐ傍にあるんだってことに気づかされる」
そう、我々浮気おじさんのような、あなたの傍にいる、笑わせるすまんも大切にしよう。喪黒福造も言ってましたよね。
「取り扱う品物はココロ。人間の心でございます。この世は老いも若きも、男も女も、心の淋しい人ばかり。そんなみなさまの心のスキマを、お埋めします」と。
〝完全無欠な人間などいません。どんな立派な人でも、どこかに欠陥があるのが、人間である証拠です〟と。
そう、浮気してしまうのが人間である証拠、なんて言っても許されませんよね(笑)。
「ドーーン!」
我々、浮気おじさんが日々行っている恋愛行動は、このクレー射撃にも似ていて、こんなたとえも申し訳ないのだが、女性のハートというクレーを撃つことで、人間本来の狩猟本能を、武器遣いしながら試しているのかもしれない。もちろん既婚者の恋ゆえ、基本的には、あくまでスポーツ競技。誰にも迷惑かけないよう、正々堂々、スポーツマンシップにもっこり(笑)で恋をする。「一線を超えない(Hしない)クレーピジョン」だ。粘土の鳩は平和の象徴。だから、撃っても平和を保てるのだとわかっている。
しかし何年かに1度、本物の鳥を撃ちたくなる衝動に駆られるのをお許しいただきたい。
Hするかしないかについてはここでは言及しないが、「まあ、したくなる」。ならば、その散弾銃で、三段腹のメタボおじさんが、素敵な鳥を落とす、その方法とは?
その一例を教えよう。
ここに、僕が20年近くお世話になっている車のトップセールスマンがいる。そのMさん腰も低く、会話が心地いい。事故った時、故障した時、買い換える時、とにかく機転がきいて、フットワークがいい。この人の売るクルマに一生乗り続けたい! そう思わせるMさんから、浮気おじさんは多くのお客の心のつかみ方を学んだ。
たとえば、僕が「ジャガーXK」というクルマに興味を示したとするとMさんは、日本の誰よりもXKに詳しいんじゃないかというぐらい詳しくなって数日後僕の前に現れる。それはネットやカタログに出ている知識だけじゃない。何度か実際に乗ってみて、アクセルの重さを今僕が乗ってる車と比較しながら答えたり、ハンドルのヒーターがこれぐらい温かいと缶コーヒーで体感させてくれたり。彼に入り細にわたり「あなた完全にXKオーナーでしょ」というぐらい詳しく、しかも、その車種がいかに僕と合うかだけでなく、逆に僕に合わないとしたらどこか、まで教えてくれるのがより信頼できる。
これにピンときた僕は、「マツキヨ店頭商品」(P214)でつかんだ「客」とその後、親しくなってデートした時に応用することにした。
どんな男がいいかを知るためのデートしながら、おじさんはこんなことを言う。
「車のセールスマンでね、ダメな人はただ売れればいいと思ってる。でもトップセールスマンは違う。買った人の幸せを考える。そのために、まずその車のことを誰より知ろうと努力し、この車にどんな人が乗ったら喜ぶかを考えるから、ベストオーナーを引き合わせるのも上手いのよ」そんな車のたとえに、女子も〝便乗〟してくる。
「たしかに、私たちのスペックや特性も知らずに〝いい人紹介するね〟とか言って、ただの独身男を連れてくる人、いる〜」
「そうそう、ああいう紹介者はダメセールスマン。成的になるわけがないわけでさ……」
賢い女子は、このあたりでオチを見抜いてるだろうけど、かまわず僕は続ける。
「〇〇ちゃんが車、僕が車のセールスマン、紹介する男がお客さんだとした時、僕はどんな男がこの車に乗ったら幸せかを考えたいのよ。そうそう、優秀なトップセールスマンは実際にその車にまずは〝乗る〟んだよね」
「なんとなく読めますね……」
「はい、運転してみてないことにはこの車のベストオーナーを連れてくる自信がないんで、ってことで……試乗させてください(笑)」
「出た、マジですか、今日だけ試乗フェア実施中、って、オイッ!」
少しの笑いは起こる。だからと言って試乗に至るかどうかは、いささか謎だが……。
そういえば先日、彼氏のいない女子のこんなツイートを見つけた。
「新しい出会いを求めたり、新しい楽しいことを探してみたりするけれど、大事なのは今出会っている人を大切にしたり、今自分の置かれている状況を最大限楽しむことなんじゃないかな、なんて。そうすることで新しい出会いや楽しいこと以上に魅力的なものが意外とすぐ傍にあるんだってことに気づかされる」
そう、我々浮気おじさんのような、あなたの傍にいる、笑わせるすまんも大切にしよう。喪黒福造も言ってましたよね。
「取り扱う品物はココロ。人間の心でございます。この世は老いも若きも、男も女も、心の淋しい人ばかり。そんなみなさまの心のスキマを、お埋めします」と。
〝完全無欠な人間などいません。どんな立派な人でも、どこかに欠陥があるのが、人間である証拠です〟と。
そう、浮気してしまうのが人間である証拠、なんて言っても許されませんよね(笑)。
「ドーーン!」