「僕をあなたの4位にしてくれないか?」 プロ彼氏は身の丈に合った戦略
2025年11月19日
浮気とは「午前4時の赤信号」である。
すずきB
「プロ彼女」というキーワードを覚えているだろうか?
2015年、流行語大賞にもノミネートされた言葉。生みの親であるコラムニストの能町みね子さんによると、「プロ彼女」のもともとの定義は「芸能人・スポーツ選手とばか付き合う一般女性。容姿は端麗。芸能活動を昔やっていたが、名前を検索しても見つからない、あるいはやっていない。ブログやSNSも見つからない。自己主張をほとんどしていない」など、らしい。そこから転じて最近では、「自立している、協調性がある、彼氏の成功を願う陰の功労者」など、意味が広がりつつあるようだ。
自分は姿をひそめて相手を立てる感じは、中途半端な素人と違って「プロ意識が高い」ということだろう。
そんな流れの中において我々浮気おじさんはというと、「相手のことを第一に考え、自立していて協調性があって相手の成功を願う」という意味で、もしかしたら「プロ彼氏」かもしれない。その定義は、
――こちらが「既婚」であることを相手に理解してもらったうえで付き合う。
――デート中は彼氏のように楽しむが、帰路につくと夫に戻る。
――彼氏でもないし、セックスフレンドでもない。
――相手にとってこちらは彼ランキング「第4位」であり、上を目指さない。
そう、僕は合コンで、女子から「彼女はいるんですか?」と聞かれたらこう答える。
「彼女? 欲しいよ。できれば、たくさん。なんだそれ(笑)」
「彼女たくさん作ってどうしたいんですか?」
「全員に、もてあそばれたいね。玩具の玩と書いて〝もてあそぶ〟と読む、なんだそれ(笑)」
「Bさん、奥さんいるんでしょ?」
「いや、平日の夜は独身……〝気分で〟遊ぶよ。平日の彼女募集中、なんだそれ(笑)」
「愛人が欲しいんですか?」
「いや、愛人はいらない。僕がいいなって女子が現れたら、その女子にとって僕が4番目の彼になりたいのよ。本命彼氏か旦那か、1位がいるじゃん。で、その次にいいなっていう、セカンド的な男もいるでしょ、だいたい。その次がいてもいなくてもいいんだけど、とりあえず、1位から空席どっちい作って、俺。第4位の男ね。俺の上に3人もいる。もてあそばれてる感じでしょ?」
「2位じゃダメなんですか?」
「あなた達観? チガウか(笑)。2位はね、責任が重い。本命が消えたらすぐ俺じゃん? それは無理。俺の前に2人ぐらいいると助かるね。オリンピックの表彰台って、3位までだけど、4位って、目立たないけど、実はすごいじゃん。3位と僅差だったりする悲しさがある。メダリストという重圧はない。その哀愁と身軽さがいいんだよね」
「意味わかんない。何が目的なの?」
「それぞれの彼女にとっての、プロ彼氏、的な? でもそれが、周囲に絶対バレない、そのプロ意識がすごいのよ(笑)」
こんなやりとりの中で、本命以外の「4位」を作って得するのは4位の男だけで、女子は損するだけでは? という意見もいただく。そんな時に僕は、こう続ける。
「カレーライス、好き?」
「はい、普通に好きですけど」
「じゃ、カレーライスは、なぜ美味しいかわかる? 実はカレーのルーだけじゃ、それほど美味くない。ライスがあるからカレーは美味い。それと同様、カレーが彼氏で、僕はライスなのよ。あなたは、ライスを食べることで、つまり4位の男を持つことで、カレーのことをよりありがたいと思い、カレーの旨味も増すんだ。だから、僕というライスを、とりあえず味見してはくんないかな〜? めっちゃカレーが食べたくなるし、カレーのルーばっか食べてた頃よりカレーが美味しく感じるから。〝カレーがカレ〟っていうのも言い得て妙でしょ?」
「ええ〜、ダジャレですか?」
一服間もホクホクのライスを召し上がれ! 先っぽがコシヒカリ!」
「くだらな〜い(笑)」
「あ、ライスなんておこがましい、らっきょうか福神漬け扱いでもいい。いでよ、らっきょ(笑)」
そんなアホな会話が、盛り上がる日もあればスベりまくる日もある。
がって「いい感じ」になったとしても、しょせん僕は「4位の男」。そして仮に盛り上がそばにいるに過ぎない。だとしても誰にも言いません。
「プロ彼氏」ですのでご安心ください。
2015年、流行語大賞にもノミネートされた言葉。生みの親であるコラムニストの能町みね子さんによると、「プロ彼女」のもともとの定義は「芸能人・スポーツ選手とばか付き合う一般女性。容姿は端麗。芸能活動を昔やっていたが、名前を検索しても見つからない、あるいはやっていない。ブログやSNSも見つからない。自己主張をほとんどしていない」など、らしい。そこから転じて最近では、「自立している、協調性がある、彼氏の成功を願う陰の功労者」など、意味が広がりつつあるようだ。
自分は姿をひそめて相手を立てる感じは、中途半端な素人と違って「プロ意識が高い」ということだろう。
そんな流れの中において我々浮気おじさんはというと、「相手のことを第一に考え、自立していて協調性があって相手の成功を願う」という意味で、もしかしたら「プロ彼氏」かもしれない。その定義は、
――こちらが「既婚」であることを相手に理解してもらったうえで付き合う。
――デート中は彼氏のように楽しむが、帰路につくと夫に戻る。
――彼氏でもないし、セックスフレンドでもない。
――相手にとってこちらは彼ランキング「第4位」であり、上を目指さない。
そう、僕は合コンで、女子から「彼女はいるんですか?」と聞かれたらこう答える。
「彼女? 欲しいよ。できれば、たくさん。なんだそれ(笑)」
「彼女たくさん作ってどうしたいんですか?」
「全員に、もてあそばれたいね。玩具の玩と書いて〝もてあそぶ〟と読む、なんだそれ(笑)」
「Bさん、奥さんいるんでしょ?」
「いや、平日の夜は独身……〝気分で〟遊ぶよ。平日の彼女募集中、なんだそれ(笑)」
「愛人が欲しいんですか?」
「いや、愛人はいらない。僕がいいなって女子が現れたら、その女子にとって僕が4番目の彼になりたいのよ。本命彼氏か旦那か、1位がいるじゃん。で、その次にいいなっていう、セカンド的な男もいるでしょ、だいたい。その次がいてもいなくてもいいんだけど、とりあえず、1位から空席どっちい作って、俺。第4位の男ね。俺の上に3人もいる。もてあそばれてる感じでしょ?」
「2位じゃダメなんですか?」
「あなた達観? チガウか(笑)。2位はね、責任が重い。本命が消えたらすぐ俺じゃん? それは無理。俺の前に2人ぐらいいると助かるね。オリンピックの表彰台って、3位までだけど、4位って、目立たないけど、実はすごいじゃん。3位と僅差だったりする悲しさがある。メダリストという重圧はない。その哀愁と身軽さがいいんだよね」
「意味わかんない。何が目的なの?」
「それぞれの彼女にとっての、プロ彼氏、的な? でもそれが、周囲に絶対バレない、そのプロ意識がすごいのよ(笑)」
こんなやりとりの中で、本命以外の「4位」を作って得するのは4位の男だけで、女子は損するだけでは? という意見もいただく。そんな時に僕は、こう続ける。
「カレーライス、好き?」
「はい、普通に好きですけど」
「じゃ、カレーライスは、なぜ美味しいかわかる? 実はカレーのルーだけじゃ、それほど美味くない。ライスがあるからカレーは美味い。それと同様、カレーが彼氏で、僕はライスなのよ。あなたは、ライスを食べることで、つまり4位の男を持つことで、カレーのことをよりありがたいと思い、カレーの旨味も増すんだ。だから、僕というライスを、とりあえず味見してはくんないかな〜? めっちゃカレーが食べたくなるし、カレーのルーばっか食べてた頃よりカレーが美味しく感じるから。〝カレーがカレ〟っていうのも言い得て妙でしょ?」
「ええ〜、ダジャレですか?」
一服間もホクホクのライスを召し上がれ! 先っぽがコシヒカリ!」
「くだらな〜い(笑)」
「あ、ライスなんておこがましい、らっきょうか福神漬け扱いでもいい。いでよ、らっきょ(笑)」
そんなアホな会話が、盛り上がる日もあればスベりまくる日もある。
がって「いい感じ」になったとしても、しょせん僕は「4位の男」。そして仮に盛り上がそばにいるに過ぎない。だとしても誰にも言いません。
「プロ彼氏」ですのでご安心ください。