ホーム 30分後に両想いになる！ ほめほめゲーム
2025年11月19日
浮気とは「午前４時の赤信号」である。
すずきＢ
「手練手管」という言葉がある。
もともとは、遊郭の業界用語で、遊女がお客の気を引き、意のままに操るテクニックのことを言った。そこから派生して、現在では「人を騙すために用いるテクニック」などの意味で使われている。
遊女をリスペクトする我々浮気おじさんも、いかにしたら女子にその気になってもらえるか、口説きの術「手練手管」を、日々研究している。
一方、ギャンブルの世界には、「イカサマ」とよばれる不正行為のテクニックがある。
イカサマの字を読んで「イカサマをするのは罪だ」。しかしイカサマを知ってイカサマの被害に遭わないようにするのは罪ではない。自己防衛術。
これから紹介する我々浮気おじさんの手練手管、プロの口説き術は、男子が実際に使うのは罪悪感があるかもしれない。あまりにも簡単に女子を落とせてしまうから……。
しかし、これを逆に、女子が知っておくことは、本気でもない浮気おじさんたちにたやすく口説き落とされなくて済むという意味で、防犯対策になるだろう。つまりは、「イカサマの見破り」というワザだ。
最初に紹介する口説き術は、男子にとっても女子にとっても朗報。それほど罪悪感なく、相手を簡単に落とせる手練手管。やれば30分後に両想いになる！ という奇跡のテク、その名は「ほめほめゲーム」。
まず、あなたと相手の座り位置、つまり男女のポジショニングだが、テーブルなどの対面はダメ。カウンターなどの「横並び」がマスト。テーブルだとしても、ファミレスのカップルのように、必ず隣りに座ってもらいたい。
心理学的にも、無意識に、対面座りは敵対心を作り、横並びはカップル意識を盛り上げるといふ。そして、肩と肩が触れやすく、足と足が当たるハプニングは、「吊り橋理論」（勇気が揺れない橋を歩くより揺れる吊り橋を歩いたほうが恋愛は芽生えやすいというカナダの心理学者の学説）以上の、誰もが妙にドキドキする「こたつ効果」（浮気おじさんの学説）を生む。
ちなみにカウンター横並びの場合、盛り上がった時の夢も広がる。たとえば、テーブルに対面座りでは難しい、カウンターの下で手をつなぐとか、女子の太ももに手を置くとか、鮨屋で「握ってください！」とオーダーしながら彼にボコチンを握ってもらうとか、夢のドスケベ行動を、鮨屋の大将に気づかれずに行えるのも、まさにカウンターの「こたつ効果」にほかならない。
さあ、そんなことで、いざカウンターに横並びで座った2人、準備は整った。
ほの暗いタイミングで、浮気おじさんはこう言う。
「なんかね、心理学的に盛り上がるゲームがあるんだけど、やってみていい？」
あくまで遊び、ゲームであると伝えるのがプロの技。そして小さな声で発表する。
「ほめほめゲーム！」
「ほめほめゲーム、ですか？」
「ルールは簡単。互いに相手の〝いいな〟って思うところを1つずつ、交互に発表しながら、ほめラリーする。見た目でもいいし、中身でもいい、なんでもいい。ゲームなので、ウソでもいい」
「え、ウソでもいいの？」
「いいの。だって〝もうほめるとこない〟って言われたら、ショックでしょ？ だから、ウソでもいいから、何かしらほめる。っていうルールなのよ」
「へえ、なにそれ!?」
「心理的にあることがわかるから。じゃあ俺からいくよ……。ええとね、目がかわいい！」
「ええ？ なんか照れる。あ、ウソかもしれないのか。私？ ええと、メガネが似合う」
「ありがとう。ウソでも嬉しい。じゃあ次いくね。ええと、服のセンスがいい！」
「ウソでしょ？ じゃ私、ええと、グルメなところ？」
「気がきく」「声がいい」「肌がきれい」「金髪が似合う？」
そんなことを、5往復から7往復ほど繰り返す。おじさんの経験だと、10分もすると、2人に恋の芽が生まれる。
それはなぜか。人間というのはよくできたもので、できればウソはつきたくない。ウソついていいゲームとはいえ、一生懸命、相手の「いいところ」を探してほめる。そして、すぐにこう気づく。自分が言ったほめ言葉「メガネが似合う」とか「グルメなところ」とか、本気で答えてウソはついてないってことは、相手の言った「目がかわいい」「服のセンスがいい」「気がきく」「肌がきれい」というほめ言葉がすべて本当であると。
何だかゾクゾク、ドキドキしている自分がいる。気持ちがハイになっている。お酒が進み、自然に肩と肩が触れ、スキンシップが増して、気持ち良く酔えている。
「で、結局この心理テスト、なにがわかるの？」
するとおじさんは、彼女の耳元で囁く。そう、さっき彼女がほめた〝いい声〟で。
「相性がわかるらしいよ」
「……！（ワクワク）え、相性？ いいの？ 悪いの？」
「どう思う？ 周りに聞こえないように聞かせてくれる？」
彼女が、ためらわずおじさんの耳元で囁くその答え、悪いはずがない。
ある心理学者が言った。愛の告白は小声ほどリアリティがあると。
カウンター横並びだからこそ可能な囁き。
こうして彼女は、30分という時を待たずに、恋に落ちた。
これが、我々浮気おじさんの間で有名な「ほめほめゲーム」からの「ささやき女将効果」である。
吉報ならぬ、吉報が待っているだろう。
もともとは、遊郭の業界用語で、遊女がお客の気を引き、意のままに操るテクニックのことを言った。そこから派生して、現在では「人を騙すために用いるテクニック」などの意味で使われている。
遊女をリスペクトする我々浮気おじさんも、いかにしたら女子にその気になってもらえるか、口説きの術「手練手管」を、日々研究している。
一方、ギャンブルの世界には、「イカサマ」とよばれる不正行為のテクニックがある。
イカサマの字を読んで「イカサマをするのは罪だ」。しかしイカサマを知ってイカサマの被害に遭わないようにするのは罪ではない。自己防衛術。
これから紹介する我々浮気おじさんの手練手管、プロの口説き術は、男子が実際に使うのは罪悪感があるかもしれない。あまりにも簡単に女子を落とせてしまうから……。
しかし、これを逆に、女子が知っておくことは、本気でもない浮気おじさんたちにたやすく口説き落とされなくて済むという意味で、防犯対策になるだろう。つまりは、「イカサマの見破り」というワザだ。
最初に紹介する口説き術は、男子にとっても女子にとっても朗報。それほど罪悪感なく、相手を簡単に落とせる手練手管。やれば30分後に両想いになる！ という奇跡のテク、その名は「ほめほめゲーム」。
まず、あなたと相手の座り位置、つまり男女のポジショニングだが、テーブルなどの対面はダメ。カウンターなどの「横並び」がマスト。テーブルだとしても、ファミレスのカップルのように、必ず隣りに座ってもらいたい。
心理学的にも、無意識に、対面座りは敵対心を作り、横並びはカップル意識を盛り上げるといふ。そして、肩と肩が触れやすく、足と足が当たるハプニングは、「吊り橋理論」（勇気が揺れない橋を歩くより揺れる吊り橋を歩いたほうが恋愛は芽生えやすいというカナダの心理学者の学説）以上の、誰もが妙にドキドキする「こたつ効果」（浮気おじさんの学説）を生む。
ちなみにカウンター横並びの場合、盛り上がった時の夢も広がる。たとえば、テーブルに対面座りでは難しい、カウンターの下で手をつなぐとか、女子の太ももに手を置くとか、鮨屋で「握ってください！」とオーダーしながら彼にボコチンを握ってもらうとか、夢のドスケベ行動を、鮨屋の大将に気づかれずに行えるのも、まさにカウンターの「こたつ効果」にほかならない。
さあ、そんなことで、いざカウンターに横並びで座った2人、準備は整った。
ほの暗いタイミングで、浮気おじさんはこう言う。
「なんかね、心理学的に盛り上がるゲームがあるんだけど、やってみていい？」
あくまで遊び、ゲームであると伝えるのがプロの技。そして小さな声で発表する。
「ほめほめゲーム！」
「ほめほめゲーム、ですか？」
「ルールは簡単。互いに相手の〝いいな〟って思うところを1つずつ、交互に発表しながら、ほめラリーする。見た目でもいいし、中身でもいい、なんでもいい。ゲームなので、ウソでもいい」
「え、ウソでもいいの？」
「いいの。だって〝もうほめるとこない〟って言われたら、ショックでしょ？ だから、ウソでもいいから、何かしらほめる。っていうルールなのよ」
「へえ、なにそれ!?」
「心理的にあることがわかるから。じゃあ俺からいくよ……。ええとね、目がかわいい！」
「ええ？ なんか照れる。あ、ウソかもしれないのか。私？ ええと、メガネが似合う」
「ありがとう。ウソでも嬉しい。じゃあ次いくね。ええと、服のセンスがいい！」
「ウソでしょ？ じゃ私、ええと、グルメなところ？」
「気がきく」「声がいい」「肌がきれい」「金髪が似合う？」
そんなことを、5往復から7往復ほど繰り返す。おじさんの経験だと、10分もすると、2人に恋の芽が生まれる。
それはなぜか。人間というのはよくできたもので、できればウソはつきたくない。ウソついていいゲームとはいえ、一生懸命、相手の「いいところ」を探してほめる。そして、すぐにこう気づく。自分が言ったほめ言葉「メガネが似合う」とか「グルメなところ」とか、本気で答えてウソはついてないってことは、相手の言った「目がかわいい」「服のセンスがいい」「気がきく」「肌がきれい」というほめ言葉がすべて本当であると。
何だかゾクゾク、ドキドキしている自分がいる。気持ちがハイになっている。お酒が進み、自然に肩と肩が触れ、スキンシップが増して、気持ち良く酔えている。
「で、結局この心理テスト、なにがわかるの？」
するとおじさんは、彼女の耳元で囁く。そう、さっき彼女がほめた〝いい声〟で。
「相性がわかるらしいよ」
「……！（ワクワク）え、相性？ いいの？ 悪いの？」
「どう思う？ 周りに聞こえないように聞かせてくれる？」
彼女が、ためらわずおじさんの耳元で囁くその答え、悪いはずがない。
ある心理学者が言った。愛の告白は小声ほどリアリティがあると。
カウンター横並びだからこそ可能な囁き。
こうして彼女は、30分という時を待たずに、恋に落ちた。
これが、我々浮気おじさんの間で有名な「ほめほめゲーム」からの「ささやき女将効果」である。
吉報ならぬ、吉報が待っているだろう。