左手の「浮気」法則 ──フレミングの
2025年11月19日
浮気とは「午前4時の赤信号」である。
すずきB
我が国では一夫一婦制がルール。奥さんがいるのに他の女性を好きになってはいけない。いや、好きになるのはいいが、Hしてはいけない。いや、一度のHならまだしも、それが1人の女性と恒常的になるとアウト。
……うーん、どうしたもんか。この「同時並行」という「悪」を「善」に変換できるアプリがあったらいいのに。それを脳にダウンロードできたらいいのに……。
「必要は発明の母」
ある日、そんな夢のような脳内アプリを、浮気おじさんの僕は編み出した。
まず我々の基本理念としてあるのは「浮気」をレジャー感覚で捉えるということ。モットーくポップ。お互い迷惑をかけない、傷つけない、傷つかない、泥沼に陥らない。明るいたってライトな「大人の嗜み」とも考えられる。
「愛人」とか「2号さん」とか「セフレ」とか「不倫」とか、そんなダークな言葉で表現されると、我々は辛い気分になる。デートはするけど、その先があるのかないのか未知。それほどに救いがあり、かわいいげがある。
そんな考えから生まれた、悪を善に変える浮気変換アプリ、その1つ目はこちら。
浮気はバスケのピボットと同じ
バスケットで、ボールを持って立ち止まり、パスしようかドリブルしようか迷う時、片足だけを動かすピボット。ご存知のように、右足を軸と決めたら、左足は自由に動かしていいが、軸の右足が浮いたら反則。
浮気もこれと同じ。奥さんが軸で右足とするなら、奥さん以外の女性は左足。左足で自由にピボット(浮気)するのはセーフ。ただ、左足の女性1人に体重をかけすぎて、軸の右足が浮いてしまってはアウト。ちなみに、浮気相手にのめり込みすぎてお泊り旅行に行くぐらいしたい奥さんにバレて怒られるが、その反則を「トラベリング」と呼ぶ。
そう、あくまで浮気はピボット感覚で、軽快に、体重をかけすぎることなく、シャカシャカと動かすことが大事。まるで「浮気相手も旅行はダメ」ということを、バスケのルールも物語っているようだ。
それと類似する変換アプリが次に挙げるこれ。
2. 浮気はコンパス理論
ピボットでいう軸足がコンパスの針。軸ではない足が、円を描く鉛筆。針を一度刺したら抜かないほうが円はキレイに描ける。幅を広げすぎるとうまく描けない(身の丈に合った浮気が大事)。鉛筆に力を入れすぎると芯が折れる。でもやさしくていねいにささっと描けばうまくいく(浮気はリラックスして)。
そして鉛筆は「消せる」。はかない浮気の恋と似ている。僕はペンネームも血液型もBだが、あるデータによるとB型は浮気性が多いらしい。浮気も鉛筆も描きやすいのはB。
そして、画期的な3つ目のアプリはこう。
3. 浮気フレミングの左手の法則
理科の授業で習った「フレミングの左手の法則」。左手の親指と、人差し指、中指を出し、これがそれぞれ「力(親指)・磁界(人差し指)・電流(中指)」の3つのベクトルを示すというあれ。
左手を出してほしい。まず親指が奥さん。他の指がそれ以外の女性。左手全体を100で考えた時、奥さんは常に50の力を持つと考える。50%所有の筆頭株主と考えてもいい。
まず1人目、人差し指のヒトミが現れた。すると奥さんは怒る。50対50で力が拮抗するため徹夜する。「ヒトミと私、どっちが大事なのよ」。ならば、ヒトミもいたうえで2人目の浮気相手を作る。
中指のナカコである。ヒトミ対ナカコは5対25で、今度はヒトミが嫉妬する。一方に、あのナカコってなんなの? 私とあいつどっちが大事なのよ」と。
そして、本来「フレミングの左手の法則」は3本指だが、「浮気フレミング」は4本となり、薬指のクスミという彼女も登場。なんであれば、小指のコミユまでも。すると1人の持ち株は12.5%ずつと、それぞれが少なくなリ、筆頭株主で50%を保有する奥さんは高みの見物。「どれもショボいわね、私の圧勝ね」と余裕を見せる。
すると、ヒトミ、ナカコ、クスミ、コユミの4人としては、己の力不足からあきらめムードとなり戦おうとはしなくなる。そこに絶妙な浮気パワーバランスが保たれ、平和が生まれる。これが〝浮気フレミングの左手の法則〟なのだ。
そういえば、『失楽園』や『愛の流刑地』などで知られる、かの渡辺淳一大先生は、ある本でこう書いていた。
「不倫とか浮気とか、妻・男・彼女の三角だから鋭角で揉めるのだ。四角、五角、六角…八角形にもなると、限りなく丸に近く、丸く収まるのだ」
さすがである。
ただ、株の原理がそうであるように、時々クーデターは起こる。大株主がすげ替えられることもあるので、上記の「変換アプリ」は参考程度にしていただくのが賢明だ。
……うーん、どうしたもんか。この「同時並行」という「悪」を「善」に変換できるアプリがあったらいいのに。それを脳にダウンロードできたらいいのに……。
「必要は発明の母」
ある日、そんな夢のような脳内アプリを、浮気おじさんの僕は編み出した。
まず我々の基本理念としてあるのは「浮気」をレジャー感覚で捉えるということ。モットーくポップ。お互い迷惑をかけない、傷つけない、傷つかない、泥沼に陥らない。明るいたってライトな「大人の嗜み」とも考えられる。
「愛人」とか「2号さん」とか「セフレ」とか「不倫」とか、そんなダークな言葉で表現されると、我々は辛い気分になる。デートはするけど、その先があるのかないのか未知。それほどに救いがあり、かわいいげがある。
そんな考えから生まれた、悪を善に変える浮気変換アプリ、その1つ目はこちら。
浮気はバスケのピボットと同じ
バスケットで、ボールを持って立ち止まり、パスしようかドリブルしようか迷う時、片足だけを動かすピボット。ご存知のように、右足を軸と決めたら、左足は自由に動かしていいが、軸の右足が浮いたら反則。
浮気もこれと同じ。奥さんが軸で右足とするなら、奥さん以外の女性は左足。左足で自由にピボット(浮気)するのはセーフ。ただ、左足の女性1人に体重をかけすぎて、軸の右足が浮いてしまってはアウト。ちなみに、浮気相手にのめり込みすぎてお泊り旅行に行くぐらいしたい奥さんにバレて怒られるが、その反則を「トラベリング」と呼ぶ。
そう、あくまで浮気はピボット感覚で、軽快に、体重をかけすぎることなく、シャカシャカと動かすことが大事。まるで「浮気相手も旅行はダメ」ということを、バスケのルールも物語っているようだ。
それと類似する変換アプリが次に挙げるこれ。
2. 浮気はコンパス理論
ピボットでいう軸足がコンパスの針。軸ではない足が、円を描く鉛筆。針を一度刺したら抜かないほうが円はキレイに描ける。幅を広げすぎるとうまく描けない(身の丈に合った浮気が大事)。鉛筆に力を入れすぎると芯が折れる。でもやさしくていねいにささっと描けばうまくいく(浮気はリラックスして)。
そして鉛筆は「消せる」。はかない浮気の恋と似ている。僕はペンネームも血液型もBだが、あるデータによるとB型は浮気性が多いらしい。浮気も鉛筆も描きやすいのはB。
そして、画期的な3つ目のアプリはこう。
3. 浮気フレミングの左手の法則
理科の授業で習った「フレミングの左手の法則」。左手の親指と、人差し指、中指を出し、これがそれぞれ「力(親指)・磁界(人差し指)・電流(中指)」の3つのベクトルを示すというあれ。
左手を出してほしい。まず親指が奥さん。他の指がそれ以外の女性。左手全体を100で考えた時、奥さんは常に50の力を持つと考える。50%所有の筆頭株主と考えてもいい。
まず1人目、人差し指のヒトミが現れた。すると奥さんは怒る。50対50で力が拮抗するため徹夜する。「ヒトミと私、どっちが大事なのよ」。ならば、ヒトミもいたうえで2人目の浮気相手を作る。
中指のナカコである。ヒトミ対ナカコは5対25で、今度はヒトミが嫉妬する。一方に、あのナカコってなんなの? 私とあいつどっちが大事なのよ」と。
そして、本来「フレミングの左手の法則」は3本指だが、「浮気フレミング」は4本となり、薬指のクスミという彼女も登場。なんであれば、小指のコミユまでも。すると1人の持ち株は12.5%ずつと、それぞれが少なくなリ、筆頭株主で50%を保有する奥さんは高みの見物。「どれもショボいわね、私の圧勝ね」と余裕を見せる。
すると、ヒトミ、ナカコ、クスミ、コユミの4人としては、己の力不足からあきらめムードとなり戦おうとはしなくなる。そこに絶妙な浮気パワーバランスが保たれ、平和が生まれる。これが〝浮気フレミングの左手の法則〟なのだ。
そういえば、『失楽園』や『愛の流刑地』などで知られる、かの渡辺淳一大先生は、ある本でこう書いていた。
「不倫とか浮気とか、妻・男・彼女の三角だから鋭角で揉めるのだ。四角、五角、六角…八角形にもなると、限りなく丸に近く、丸く収まるのだ」
さすがである。
ただ、株の原理がそうであるように、時々クーデターは起こる。大株主がすげ替えられることもあるので、上記の「変換アプリ」は参考程度にしていただくのが賢明だ。