嫁姑問題は浮気に似ている。「青は藍より出でて藍より青し」方式で収める
2025年11月19日
浮気とは「午前4時の赤信号」である。
すずきB
夫が、嫁よりも自分の母(姑)を大事にするのは、マザコンという言い方もあるが、この状況は、どこか「浮気」にも似ている。
母にとって、お腹を痛めて産んだ息子が結婚するというのは、(極端に言うと)どこの馬の骨かもわからぬ女に、彼氏を奪われる気持ちだし、逆に嫁からしたら、結婚したのに(姑)のことばかり気を使っているマザコン夫は、“過去の女〟を引きずってる男のようで、嫉妬心が湧くのだろう。
そんな、夫・嫁・姑の三角関係トラブルは、夫の実家でよく起きる。
昔、我が子が歩けるようになったある日、僕の実家に家族で里帰りした。冬だったので、当然、子供は靴下を履いている。家の中を走り回って遊ぶ子供を見て、僕の母ヒデコ(でぶ)は、「靴下履いてると危ない、すべって転んだら大変だで」と、子供の靴下をすぐに脱がせた。しかし鬼は、寒いし、風邪ひいたらいいけない、と、また靴下を履かせた。するとヒデコは「寝てる時に靴下なしじゃ……」と、また脱がせた。負けじと鬼は、「なんで脱がすか!」と、また履かせた。「風邪ひくっつうの……」と寝不足もあって、チバチバ火花を散している嫁と姑。ついに直接対決が始まった。
「寝る時に靴下、履かすもんじゃないら?」
「いやいや、お母さん、寒いから、履いたままでいいの!」
ここは実家だからヒデコを立ててあげるべきか? 育児はその親がルールだから鬼の肩を持つべきか? 板挟みの僕はどっちに乗っかるべきか戸惑った。
1人の優柔不断な男を軸にした浮気問題のように、嫁姑問題も、昔から永遠のテーマだ。そして、姑がいないところで巻き起こる嫁VS夫のケンカは、あのみっともない修羅場のよう! ハッキリしなさいよ!」的な浮気の修羅場にも似ている。つまり、このケースから逃げずに立ち向かうことは、浮気の対処法にも使えるということだ。
実家をあとにし、東京に戻るとヒデコのことまでまたケンカになる。
「喫茶店でオーダーの時、『私は水でいいです』って、なんだあれ」
「いやいや、喫茶店とか普段入らない田舎の年寄りは、そんなもんだって」
「ドケチだな」
「いやいや、ケチとかじゃないって……」
〝姑の悪口を言う嫁〟VS〝姑をかばおうとする夫〟のバトルは、始まったら収拾がつかない。僕がヒデコの味方を持つと「お前は、そんなにデコが好きなのか、乳離れしない男だな。ヒデコと結婚しろ」と、まるで浮気相手がバレたかのように、キレられる。
そんなことを繰り返しながら、しかしある時、僕は、ヒデコ問題で鬼とケンカになったら、こうすればすぐに収拾がつく、というナイスな対処法を見つけた。
姑にまつわる嫁とのケンカは「青は藍より出でて藍より青し」。
青い染料は、藍という植物から作られる。しかしこの青は原料である藍よりも濃い青色をしている。弟子が師匠を超えてしまうことを表した、中国の賢人、荀子の言葉。これを応用するのだ。
「ヒデコは絶対ドケチだって……」と、藍色なことを言い始めたら、僕がもっと〝青く〟濃くして、返してやる。
「そうなんだよ、昔からドケチでさ。俺が子供の頃、習字の塾サボって遊んでたら、『お月謝がもったいない! 習字行け!』って、竹の棒持って追いかけて来たからね。学校でソロバンが始まった時も、ケースもセットで買うんだけど、ヒデコはもったいないとか言って、俺だけ母親手作りの、変な布のケースでさ。本当ドケチ」
「いや、ケチじゃない。ヒデコの愛情じゃん。なにもヒデコをそこまで悪く言わないほうがいいよ」
かぶせると毎回、見事に戦争は終了する。
逆に、鬼がいないところで、ヒデコが鬼の悪口言った時も、その方式でヒデコに乗ると、「ユミちゃんのこと、そんな悪く言うもんじゃないら」と、ヒデコが鬼をかばい始める。逆も真なり。
嫁姑問題、マイナスかけるマイナスはプラスの法則。
ケンカから生まれた、アホな法則。
「アホは愛より出でて、アホほど愛し」なのである。
そしてこの法則は、浮気がバレた時の修羅場でも、当然、使えるのだ。
嫁が言う他の女(夫の浮気相手)の悪口に、夫はかぶせればいい。簡単なことだ。
母にとって、お腹を痛めて産んだ息子が結婚するというのは、(極端に言うと)どこの馬の骨かもわからぬ女に、彼氏を奪われる気持ちだし、逆に嫁からしたら、結婚したのに(姑)のことばかり気を使っているマザコン夫は、“過去の女〟を引きずってる男のようで、嫉妬心が湧くのだろう。
そんな、夫・嫁・姑の三角関係トラブルは、夫の実家でよく起きる。
昔、我が子が歩けるようになったある日、僕の実家に家族で里帰りした。冬だったので、当然、子供は靴下を履いている。家の中を走り回って遊ぶ子供を見て、僕の母ヒデコ(でぶ)は、「靴下履いてると危ない、すべって転んだら大変だで」と、子供の靴下をすぐに脱がせた。しかし鬼は、寒いし、風邪ひいたらいいけない、と、また靴下を履かせた。するとヒデコは「寝てる時に靴下なしじゃ……」と、また脱がせた。負けじと鬼は、「なんで脱がすか!」と、また履かせた。「風邪ひくっつうの……」と寝不足もあって、チバチバ火花を散している嫁と姑。ついに直接対決が始まった。
「寝る時に靴下、履かすもんじゃないら?」
「いやいや、お母さん、寒いから、履いたままでいいの!」
ここは実家だからヒデコを立ててあげるべきか? 育児はその親がルールだから鬼の肩を持つべきか? 板挟みの僕はどっちに乗っかるべきか戸惑った。
1人の優柔不断な男を軸にした浮気問題のように、嫁姑問題も、昔から永遠のテーマだ。そして、姑がいないところで巻き起こる嫁VS夫のケンカは、あのみっともない修羅場のよう! ハッキリしなさいよ!」的な浮気の修羅場にも似ている。つまり、このケースから逃げずに立ち向かうことは、浮気の対処法にも使えるということだ。
実家をあとにし、東京に戻るとヒデコのことまでまたケンカになる。
「喫茶店でオーダーの時、『私は水でいいです』って、なんだあれ」
「いやいや、喫茶店とか普段入らない田舎の年寄りは、そんなもんだって」
「ドケチだな」
「いやいや、ケチとかじゃないって……」
〝姑の悪口を言う嫁〟VS〝姑をかばおうとする夫〟のバトルは、始まったら収拾がつかない。僕がヒデコの味方を持つと「お前は、そんなにデコが好きなのか、乳離れしない男だな。ヒデコと結婚しろ」と、まるで浮気相手がバレたかのように、キレられる。
そんなことを繰り返しながら、しかしある時、僕は、ヒデコ問題で鬼とケンカになったら、こうすればすぐに収拾がつく、というナイスな対処法を見つけた。
姑にまつわる嫁とのケンカは「青は藍より出でて藍より青し」。
青い染料は、藍という植物から作られる。しかしこの青は原料である藍よりも濃い青色をしている。弟子が師匠を超えてしまうことを表した、中国の賢人、荀子の言葉。これを応用するのだ。
「ヒデコは絶対ドケチだって……」と、藍色なことを言い始めたら、僕がもっと〝青く〟濃くして、返してやる。
「そうなんだよ、昔からドケチでさ。俺が子供の頃、習字の塾サボって遊んでたら、『お月謝がもったいない! 習字行け!』って、竹の棒持って追いかけて来たからね。学校でソロバンが始まった時も、ケースもセットで買うんだけど、ヒデコはもったいないとか言って、俺だけ母親手作りの、変な布のケースでさ。本当ドケチ」
「いや、ケチじゃない。ヒデコの愛情じゃん。なにもヒデコをそこまで悪く言わないほうがいいよ」
かぶせると毎回、見事に戦争は終了する。
逆に、鬼がいないところで、ヒデコが鬼の悪口言った時も、その方式でヒデコに乗ると、「ユミちゃんのこと、そんな悪く言うもんじゃないら」と、ヒデコが鬼をかばい始める。逆も真なり。
嫁姑問題、マイナスかけるマイナスはプラスの法則。
ケンカから生まれた、アホな法則。
「アホは愛より出でて、アホほど愛し」なのである。
そしてこの法則は、浮気がバレた時の修羅場でも、当然、使えるのだ。
嫁が言う他の女(夫の浮気相手)の悪口に、夫はかぶせればいい。簡単なことだ。