ホーム

探偵の知識

「お見合い結婚」って実はよくできている

2025年11月19日

浮気とは「午前4時の赤信号」である。
すずきB

戦前の日本では「お見合い結婚」が一般的だった。もともと、家と家のつながりが強かった日本では、親などの仲介により、お見合いで結婚することがごく当たり前で、人口問題研究所が行った結婚調査によると、1935年当時、約7割がお見合い結婚だった。
今では9割が恋愛結婚で、お見合い結婚は1割を下回っている。
しかし、あるデータによれば、お見合いのほうが離婚はしにくい。恋愛結婚の夫婦は離婚率40%なのに対し、お見合い結婚の夫婦は離婚率10%と低い。
ちなみに僕は、一応、恋愛結婚した形だが、仮にこれがお見合い結婚だったとしても、何とかうまくやれる自信がある。というのも、相手を「好き」という感情で結婚したのではなく、「必要」という気持ちで結婚したから。
そもそも恋愛結婚とお見合い結婚の違いとは?

林修先生の「恋愛感情グラフ」論によると、恋愛結婚は結婚前に感情のピークがあるのに対し、お見合い結婚は、結婚後に感情のピークを迎える。つまり、恋愛結婚の場合、出会って恋愛感情が生まれ、付き合うようになって感情のグラフはどんどん上がっていく。
だが、付き合っていくうち、倦怠期を迎えたりして少しずつ下がる。付き合いも長くなってきだし、そろそろ結婚かとなって、いざ結婚すると、かつて異常に盛り上がっていた時の感情のピークをなかなか超えない。さらにこれが下がって、結婚維持ラインを割らなければ結婚が継続できるが、割ったら離婚。実際、2〜3組に1組は割っていくのだと。
一方、お見合い結婚の場合は恋愛感情が「0」で始まる。下がりようがない低い位置からのスタート。結婚し、少しずついいところを見つけ、好きになっていく。徐々に盛り上がって、結婚後に感情のピークを迎える。
僕の場合も、恋愛感情は最初から低めだった。特にプロポーズもしておらず、なぜ結婚したかと言えば、結婚しても合コンに行っていいと言ってくれたから(P28)。本来、男にとって、結婚は人生の墓場などと言われるくらい、遊べなくなる。なのに、合コンに行っていいと言う(ただし合コンを仕事につなげろ、と鬼は添えていたのだが)。こんな理解ある人は今逃したら他にいないだろう。好きという感情よりも逃せない感、掘り出し物感で結婚した。いわばお見合い結婚にも似て、感情のピークは最初から低いまま、冷めた気持ちで結婚したのだ。
巷の未婚女性はよくこんなことを言う。
「いい相手が周りにいないのよ」「ダメ男にすぐだまされる」「見つけるのが下手な私」「出会いがなくて」「男がなかなかプロポーズしてくれなくて」など。
そうじゃない。むしろ、相手はたくさんいる。気づいてないだけだ。だからこそ、見つけ出す技を持てばいい。
未婚女子は男のマイナス点ばかりを並べる。
「収入が低い」「女好き」「すぐキレる」「時間にルーズ」「服がダサい」「身長が低い」「デブ」「ハゲ」「体臭が臭い」など。
お前は評論家か! と言いたい。お前がどんだけ優れた女なんだよ! お互い様だろ! と、カッコつけて履いてるルブタンのヒールをへし折ってやりたい(笑)。
誰もが、10個ぐらいはマイナス面がある。
ならば、11個のプラス面を探せばいい。マイナスの数を、プラスが1つ上回る程度でいい。「頭がいい」「面白い」「人望がある」「声がいい」「運転が得意」「ヒゲが似合う」「よく食べる」「大卒」「次男」などなど、探せば意外とマイナスよりプラスが多かったりする。
そう、偉そうな評論家みたいにダメ出しばかりせず、プラスを探せ!
そして、「収入が低い」はあなたがケツを叩いて増えるように頑張らせ、「女好き」は管理してほどほどに是正、「すぐキレる」ガキみたいな性格は母のようなやさしさで治し、「時間にルーズ」はひっくり軌道修正し、「服」は選んであげ、「ハゲ」は金髪にして目立たないようにし、「体臭」は風呂こまめに入れ、なんとかなる。
実はここに挙げたのは、すべて僕の結婚当初のマイナス面なのだが、少なくとも僕は、これらを鬼に叩き直され、暮らしている。治してくれたことに感謝している。
あなたとその彼は、性格が合わないのではない。自分が、相手に合わせる技を持ち、合わせさせるよう歩み寄り、相手にも歩み寄らせるのだ。
「結婚相手にふさわしい男」を探す前に、自分が「結婚筋肉を持った女性」になればいい。ただそれだけだ。
僕は今、おそらく「誰と結婚しても幸せになれる」結婚筋肉を持っている。

鬼という鬼トレーナーに鍛えられ、肉体改造され、手なずけられたことにより、盲導犬のような柔軟な対応力と寄り添う気持ちの両方を身につけた。
鬼は、世界一怖いけど、世界一必要で、失いたくない飼い主。
「放送作家になるには、どういう能力が必要ですか?」と聞かれることがある。僕は、「続ける根性、やめない根性があれば誰でもなれる」と本気で答える。そう、途中でやめるから、なれない。続けていれば、いつかなれる。なれるよう頑張る。
結婚も同じ。途中で別れるから『相性が悪かった』と思うのであって、「続ける根性」があれば続くし、「こんなに続いた」という既成事実が「結束力」となり、結果として相手が「必要な人」となる。
だから結婚には向いてなさそうなその彼氏と、お見合い結婚だと思って結婚してみるといい。あなたから「結婚しよう」と言ってみるといい。別れないで、もう少し頑張って続けていれば、結果、続いたことで、相手が良かったと思えるのだから。
恋愛感情なんて、あてしてはいけない。感情に左右されない「お見合い結婚」って、実はよくできている。